市民と議員の条例づくり交流会議

第2分科会「再検証・都市計画における議会の役割」

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現場からの報告(3)「各地にみる議会と都市計画の関わり」
饗庭伸(首都大学東京)
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 現状がどういうものかを共有するために、三つの事例についての聞き取りの結果を報告したい。A市の議員(2期目)から二つの事例と、B市の元議員(2期つとめた)から一つの事例を聞いた。

 事例1:マンション反対の請願が議会に出され、建設委員会で議論したが、採択せず継続審議か主旨採択になる。なぜ採択しないかといえば「採択しても役に立たない」、議会が意思を示しても行政がその通りにする義務はないから。

 事例2:都市計画道路建設促進の請進が議会に出され、建設委員会で議論したが、採択しなかった。道路建設という「私権の制限」に関わることなので、議会が地権者の状況を行政庁に聞いて判断した。議会固有の意思を示すよりも、行政的な判断を優先する。

 事例3:マンション反対の請願が議会に出され、それを契機にまちづくり条例の勉強会や調査につながり、条例提案を予定した。ところが市長から依頼があり、議員提案は取り下げて市長提案を受ける形にした。自分たちは少数会派なので、同じ内容でも市長が提案した方が多数会派の賛同を得られ実現しやすい。

 分かってきたこと:いずれの場合でも、都市計画審議会は全く機能していない。また議会への請願・陳情の重みや「出す容易さ」が自治体によって大きく違う。それもあって請願・陳情の質もバラバラ。議会の中でも政党・会派によって政策立案能力は大きく違う。中には都市計画専門の議員がいる政党もある。

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