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「メールニュース」 バックナンバー

第82号(2009年11月27日発行)

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    容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース
       第82号 2009年11月27日
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リサイクル率アップでも、よーく見ると容リ法の寄与はわずか!

 最近の環境省発表のデータによれば、リサイクル率が、平成19年度(
2007年度)に一般廃棄物分野でも20.3%<ごみ総排出量5082万
トンのうち1030万トン、平成元年度(1989年度)は11%>にな
り、埋立処分量は635万トン(平成元年度1700万トン)まで下がり
ました。一般廃棄物の総発生量が、平成元年以来の5千万トンの大台を割
り込ませられない中では、埋立処分量の大幅な削減に果たしたこのリサイ
クル率向上の役割は大きいものです。

 循環型社会形成推進基本法が制定され、拡大生産者責任の原則の下でリ
サイクルを中心にさまざまな仕組みが構築されました。しかし、環境省デ
ータ一を詳細に見ると、このリサイクル率20.3%のうち、拡大生産者責
任によるリサイクル量は、容リ法ルートでリサイクルされる容器包装廃棄
物の量(市町村で分別収集・選別されて指定法人に引き渡される容器包装
廃棄物の量)275万トンのみで、5082万トンのリサイクル率として
は5.4%に過ぎません。

 この5.4%を差し引いたリサイクル率20.3%の残りの14.9%は、
集団回収後、再資源化業者に引き渡され資源化される分が6.0%(305
万トン)、市町村で分別収集後、選別処理されずに再資源化業者に引き渡
される量<新聞・古紙等の非容リ法回収量と分別収集後、独自処理される
容器包装廃棄物の量を合わせた分>5.2%(264万トン)、市町村にお
いて中間処理(選別)されて再資源化される量<市町村で分別収集・選別
処理され容リルートに乗せられる容器包装廃棄物と粗大ごみ等のごみ処理
の過程で中間処理(選別)され、再資源化業者に引き渡される資源物量>
3.7%(187万トン)を合わせたものです。これらの分は拡大生産者責
任に基づきリサイクルされたものとは言えません。市町村によって、税金
で賄われているリサイクルです。ほぼ100%事業者責任で行われている
家電リサイクル法対象の家電4品目を加えても、一般廃棄物全体のリサイ
クル率は0.6%上積みされるだけです。

 容器包装廃棄物は、家庭ごみの大部分を占めるだけに量的に多いだけで
はなく、質的にも多様で汚れも付着しやすく、リサイクルの重要なポイン
トである選別に大きな負担がかかります。
  こうした点を踏まえると、次の容リ法改正においては、容器包装廃棄物
のどこまでを税金によるごみ処理とするかを考えながらも、容リ法の仕組
み中に、拡大生産者責任をきっちりと組み込んだものにすることが大事な
こととなります。(庄司 元)

------ 目 次 --- C o n t e n t s -------  
今号の巻頭言
1、連続学習会第4回 12月9日開催のお知らせ
2、全国で取り組みましょう! レジ袋の鉛含有調査参加呼びかけ
3、連続学習会第3回 イオンの上山静一さん講演要旨ほか報告
4、直前情報 廃棄物資源循環学会主催 11月27日開催
   平成21年度市民と学生のためのセミナーのお知らせ
   「プラスチックごみ混合焼却処理と排ガス・環境への影響」
5、ペットボトルのボジョレーヌーボー
6、水俣市ゼロウエイスト宣言
7、事務局からのお知らせ

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     連続学習会第4回 12月9日(水)
  「プラスチックの再商品化手法別のLCA分析について」
     国立環境研究所 森口祐一さんの講演

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 容器包装の再商品化をめぐる環境影響、LCA評価に関わってこられた
国立環境研究所の森口祐一さんに講演いただきます。
  09年9月15日環境省から公表された最新のLCA分析結果(78号)
について、わかりやすくお話しいただきますので、ぜひこの機会にみなさ
まご参加下さい。多忙を極める森口さんから直接お話うかがえる機会です
ので、ぜひ、みなさまお誘い合わせの上ご参加下さい。
  学習会は広く公開していますので会員以外の方も参加できます。
<内容>
  ・プラスチックの再商品化手法別のLCA分析について
  ・容器包装の再商品化に係る技術面について
  ・環境相の温暖化等の環境負荷の研究結果の発表についてなど
※講演のあとには、意見交換をする予定です。

日 時:12月9日(水 )14:00〜16:20
会 場:主婦会館プラザエフ3F(JR四谷駅麹町口徒歩1分)
地 図:http://www.plaza-f.or.jp/
講 師:森口祐一さん 国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター
            センター長、東京大学大学院客員教授
参加費:300円
申 込:「連続学習会第4回12月9日参加」と明記のうえ「氏名」・
     「所属」・「連絡先」を書いて事務局までお申し込み下さい。
      E-mail:reuse@citizens-i.org
      FAX:03‐3263‐9463
      ※当日参加もOKですが、資料の準備の関係からできるだけ
       事前申し込みをお願いします。
(中井八千代)

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全国レジ袋鉛含有調査にご協力ください!!
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ついもらっているレジ袋
鉛が含まれていないか調べてみませんか?

 レジ袋、外国から輸入されているものがたくさんあり、特に色のついた
レジ袋から鉛が検出されることが多くあります。2006年に行われた京
都市の調査では、34種類のレジ袋から鉛が検出されました。全国の色つ
きのレジ袋はどうなっているでしょう!
  今回京都大学のご協力で無料で調査を実施することになりました。ぜひ、
自分たちでレジ袋の安全性を確認しましょう!

 今回、送付をいただくのは、色付きレジ袋に限ります。

送付方法など詳しくはコチラ(PDFファイル)をご覧ください。
http://www.citizens-i.org/gomi0new/pdf/2009119regi-check.pdf
送付期限:2010 年1月末まで。
送り先 :〒102-0083 東京都千代田区麹町2-7-3-2F 市民立法機構気付
      容器包装の3R を進める全国ネットワーク
費  用 : 無料 (送料は各自負担)
主  催 : 容器包装の3R を進める全国ネットワーク
(中井八千代)

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連続学習会第3回開催報告
イオンの上山静一さん講演要旨ほか

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 11月18日開催した連続学習会の報告です。
  <第一部>
◎イオン環境アドバイザリーボードメンバー 上山静一さん
    テーマ「イオンの温暖化防止宣言と地域社会との連携」〜レジ袋削
減から始まるビジネスプロセスと生活スタイルの変革へ〜

 イオンは2008年3月「イオン温暖化防止宣言」し、2012年まで
にCO2排出量を30%削減し260万トンにすることを宣言。しかし今
のままでは185万トンの削減が必要。店舗、商品・物流、お客さま(消
費者)、地域との連携に取り組む。
  レジ袋削減では2008年度買い物袋持参率はイオンリテール全店舗平
均で30.53%、2010年までに50%以上が環境省との協定。
  今年11月13日〜2010年11月14日の1年間で、神戸市で産官
民の協働により、ジャスコを含む市内3店舗で容器包装を簡素化した「減
装商品」を推奨販売する社会実験実施。

 また、商品にかかるCO2の総排出量を表すカーボンフットプリント表
示を2009年お歳暮用の洗剤、菜種油、特別栽培米あきたこまちの3品
に表示し10月から販売を開始。

 市民は、普段の生活の中でできることから取り組む姿勢と情報を意識し
て主体的に行動することが重要。企業は低炭素社会に繋がるビジネスモデ
ルを創造し、国は世界の情報をバランスよく発信し、それぞれが行動しや
すい環境整備を担う役割があります。

 質疑応答では、レジ袋有料化が大都市で進まない理由について「競争や
不況のせいにされているが、7割は自治体や住民の意識など地域特有の要
因ではないか。成功事例をつくるしかない」と言われました。

<第二部>
◎国際NGOFoEJapanの瀬口亮子さん「レジ袋削減に関する世界の動き」
■世界各国のレジ袋削減制度
1)経済的手法@(小売事業者への課税):台湾、アイルランド
2)経済的手法A(製造業者への課税):デンマーク、イタリア、南ア
3)規制的手法(レジ袋無料配布の禁止):韓国、中国、台湾、インド、
   南ア、カナダ、フランス
4)自発的削減アプローチ:ドイツ、イギリス、オーストラリア

 イギリスは2007年2月に英国小売業協会と環境省等の間で自主協定
を締結。2008年12月までに2006年比25%削減を約束。その後
目標を70%削減まで段階的に引き上げ、達成できなければ、2008年
11月に成立した「気候変動法」の使い捨て買い物袋有料化の手続き規定
を適用の見込み。日本はレジ袋有料化について地域任せにせず、国レベル
で取り組む時期。

◎東京都地域消費者団体連絡会の羽賀育子さん「レジ袋辞退率調査報告」
  連絡会とレジ袋減量ネットワークでは、毎年10月5日に都内92店舗
のスーパーを対象にレジ袋辞退率の調査を実施。16時〜17時の1時間
の目視調査の結果は、レジ袋無料配布店81店の辞退率平均が35.4%、
レジ袋有料店11店の辞退率平均が83.4%、無料店での辞退率は年々上昇。

◎ごみ・環境ビジョン21の小野寺 勲さん「容リ法とレジ袋有料化」
  前回の容リ法改正では、レジ袋有料化の法制化(法律によるレジ袋無料配
布禁止)は見送られ自主的取り組みに委ねられましたが、特に大都市で進展
せず、自主的取り組みの限界が明らかになりました。

 公正取引委員会が2008年、レジ袋有料化のための共同行為を解禁し、
レジ袋有料化の法制化のハードルが低くなりました。
  次の容リ法改正では、無料配布を禁止するか70%以上の削減を義務付け
ることが必要であると問題提起しました。

第3回学習会の詳しい報告は、以下のPDFファイルをご覧ください。
http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/091118report.pdf

(小野寺 勲)

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廃棄物資源循環学会主催 11月27日開催
  平成21年度市民と学生のためのセミナーのお知らせ
「プラスチックごみ混合焼却処理と排ガス・環境への影響」

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  廃棄物資源循環学会では、市民と学生向けのセミナーを開催します。
今回のテーマは「プラスチックごみ混合焼却処理と排ガス・環境への影響」
で、パネリストには専門の方々のほか、市民の立場からの発言として、ず
っと23区の廃プラスチック焼却問題に取り組んできました植田靖子も加
わることになりました。参加費が高くて恐縮ですが、御都合のつく方は、
ご参加いただければ嬉しいです。

日 時:平成21年11月27日(金)13:00〜17:15
場 所:専売ホール(東京都港区芝5-26-30, JR田町駅,地下鉄三田駅)
定 員:100名
参加費:会員3,000円(会員外3,500円)

趣 旨:廃棄物の焼却処理においては、排ガスや残さなどについての環境
     安全性の確保が大変重要で、大きな関心あるいはときに懸念が寄
     せられます。
     本セミナーでは,焼却処理からの排ガスと環境影響という課題に
     焦点を絞って基本的な考え方を整理します。
     おりしも東京23区では、従来プラスチック廃棄物を除外して可
     燃ごみの焼却処理を行っていたものを除外せずに可燃物として焼
     却処理することとし,それによる焼却排ガスの性状等への影響に
     ついて、測定調査が行われています。
     そこで、23区での試験調査の経過データ等を一つの題材とし、
     焼却と環境保全との関係を今の視点で考えます。

プログラム 
13:05〜13:45 1.焼却による無機汚染物質・重金属の排出
                     京都大学大学院 高岡昌輝氏
13:45〜14:25 2.焼却による有機汚染物質の排出
                  (独)国立環境研究所 野馬幸生氏
14:35〜15:15 3.東京23区におけるプラスチック混合焼却実証実験
             東京二十三区清掃一部事務組合 小林正自郎氏
15:15〜15:55 4.焼却による環境リスクをどう考えるか
                   横浜国立大学大学院 益永茂樹氏
16:05〜16:20 5.市民の考える焼却と環境保全
東京二十三区清掃一部事務組合サーマルリサイクル実証確認結果の確認等
                   検討委員会区民委員 植田靖子氏
16:20〜17:20
パネルディスカッション「焼却と環境との関係をどう考えるか」
コーディネーター:川本克也(企画運営委員会副委員長、(独)国立環境研究所)
パネリスト:高岡、野馬、小林、益永、植田の各氏

申込方法:廃棄物資源循環学会事務局までFAXでお申し込み下さい。
〒108-0014 東京都港区芝5-1-9 豊前屋ビル5F
TEL 03-3769-5099、FAX 03-3769-1492
申込締切:平成21年11月20日(金)必着ですが、当日受付もできるというこ
となので、ご確認の上、ご参加下さい。

申込用紙等は以下のHPにPDFがあります。
http://jsmcwm.or.jp/shimin21.pdf

(植田靖子)

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ペットボトル入りボージョレ・ヌーボーに
  フランスの生産者がNO!

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 2009年11月19日「ボージョレ・ヌーボー」の販売解禁日。日本
ではちょっとした異変が起きています。

 今年9月からメルシャンがペットボル入りワインを発売(76号)し、
ボージョレ・ヌーボーもペットボトルの販売を表明。景気低迷の影響もあ
りボージョレ・ヌーボーの格安競争が激化、イオンが980円のペットボ
トル入りを発売すると、西友が890円、ドンキ・ホーテが870円と競
い合い、その後も値下げ競争が起きています。これは、びんからペットボ
トルになって軽くなり輸送コストが削減できたからということです。

 しかし、報道によると東京・南麻布の駐日フランス大使公邸で生産者の
代表が解禁日の19日記者会見し、「長期的展望に立ち、量より質を選ぶ。
ペットボトルでは品質が6カ月以上もたない」という考えを示し、「伝統
を重んじ、生産者としてはペットボトルには反対。造り手の団体としては
禁止しようと考えており、来春前には決着をつけておきたい」と語ったと
いうことです。

 輸送コストが安くなっても最後に残ったペットボトルはどうなるのでし
ょうか? まさに大量生産・大量消費の象徴のようなペットボトルにワイ
ンを詰めるデリカシーのなさは、ワインというものを理解していないとし
か言えません。フランスの生産者がペットボトルにNOを表明したのは、
しごくもっともな話だと感じます。

 私も一人の消費者としてNO!です。安ければ何でもいいというもので
はありません。流通・販売業者が禁止される前に再考することを期待した
いと思います。それにしても、さすがフランス!(植田靖子)

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水俣市11月26日、「ごみゼロ宣言」全国の市で初
  2026年までに焼却、埋め立てなくす
 
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 熊本県水俣市は11月22日開催中の「環境モデル都市フェスタ」で、
宮本勝彬市長が「市民、事業者、行政が情報を共有し、協働でごみゼロ社
会の実現に取り組む」と正式にゼロウエイスト宣言(78号)を行いまし
た。現在22分別のごみ収集をさらに徹底し、リデュース、リユース、リ
サイクルの「3R運動」を推進。長期的には紙くずや廃プラスチックの固
形燃料化や、宣言自治体の全国組織化などを目指すということです。
(植田靖子)

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事務局からのお知らせ
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会議開催日程
1、運営委員会12月10日(木)18:30〜20:30
   場所:市民運動全国センター(千代田区麹町2-7-3-2F)

2、事務局会議 12月26日(土)16:00〜18:00
   場所:市民運動全国センター(千代田区麹町2-7-3-2F)
   
※ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまにBCCでお送りして
います。ご不要の方はご連絡ください。
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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail:reuse@citizens-i.org
URL:http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒102-0083 東京都千代田区麹町2-7-3-2F 市民立法機構気付
TEL/03-3234-3844  FAX/03-3263-9463
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