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■ 第204号(2019年6月20日発行)
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容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース
第 204号 2019 年 6 月 20 日
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この6月10日にカナダのトルドー首相が「使い捨てプラスチックを 2021年
までに禁止する」方針を表明しました。世界各国でマイクロ プラスチック (MP)による海洋汚染への取組みが進んでおり、この 問題はG20大阪サミ
ットの重要議題でもあることから、日本政府の 主導的役割と具体的成果が
求められています。
ところで、同じMP汚染でも海洋汚染とは別の問題がニュースになった 経緯
があるので、それについて紹介したいと思います。
一昨年9月、米国の複数の大学が協力して世界中の水道水を調査 した結果、
その8割からMPが検出されたとのニュースがネット上に公開 され、更に昨
年3月には世界のペットボトル入り飲料水の9割からもMP が検出されたと
のニュースが公開されました。これらは新聞各紙も取り上げましたが、調査
対象に日本が含まれていなかったため「日本の水は大丈夫か?」との懸念が
持ち上がることになりました。
(情報例として下記サイトを参照)
・世界の水道水の8割から微細なプラスチック繊維を検出(Orb Media, 2017.9.6)
・微小プラ、世界の水道水に(日経 2018.9.2)
上記MPの実体は粒子状ではなく微小なプラスチック繊維が主とのことです
が、 日常生活のライフラインである水道水にMPが混入していると したら
無視できない問題です。 そこで、去る6月1日に国連大学GEOCで開催さ
れた海ごみセミナーにおいて、 講演をされた東京農工大学の高田秀重先生
に見解をお聞きしたところ、 「その報告はデータ自体の信頼性に疑義があ
り、学者の間でも評価が割れている。日本の水道水にMPが混入することは
考え難く、 調査しても検出はされないだろう。ただし、プラスチック繊維
が 衣類乾燥機等から大気中に拡散していることは事実であり、そのことは
問題なので、衣類も化繊よりは天然素材によるものを 使う方が望ましい」
とのことでした。
実はこの問題で最近普及しているコインランドリーの乾燥機が気 になった
ので、個人的に近くのコインランドリーを調べたこと があります。案の定、
バーナー式乾燥機のダクト出口には大量の繊維くず(恐らく化繊が主)が
堆積 していました。それは微小繊維の多くが大気中に放出されていること
を意味します。とりあえず日本の水道水にMPが混入する心配はないとして
も、 大気中に微小なプラ繊維(MP)が拡散していれば、それは人間の肺
に取り込まれる恐れがあるので無視できない問題です。
MPの問題は海洋汚染のみならず大気汚染にも波及 している状況から、容
器包装に限らず衣類や日用品まで何でもプラスチック(石油製品)に頼る
今のライフスタイルは、改めて見直すべき時期に来ていると思います。
(政策委員 益子友幸)
------ 目 次 --- C o n t e n t s --------------------------------
巻頭言
<1> セミナー報告!「マイクロプラスチックよる海洋汚染と解決策について」
<2> 減プラスチック社会提言書を外務大臣・環境大臣に提出! 「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」
<3> G20のエネルギー・環境相会合の海洋プラスチックごみの共同声明について
<4>第24回東京23区とことん討論会渋谷区で開催!7/24美竹の丘・しぶやにて
<5> 【レポート】EUでは、2021年から使い捨てプラスチック使用禁止
<6> 福岡県水俣市の田中利和さんからの活動報告
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■ <1> 海ごみセミナー報告
■ マイクロプラスチックによる海洋汚染の実態と解決策について
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2019年6月1日(土)に、3R全国ネットの主催で海ごみ削減を テーマ
とした学習会を開催しました。
東京農工大学高田秀重教授のマイクロプラスチックによる海洋汚染の実
態と 解決策についての講演と、内陸部の自治体の海ごみへの取り組みと
して 注目されている京都府亀岡市のプラスチックごみゼロ宣言の報告が
京都府亀岡市環境市民部環境政策山内剛課長よりありました。
当日は、会場の地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)の セミナ
ースペース(定員100名)が満席となる盛況でした。
詳しい報告は、下記よりご覧ください。↓
http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/report190601.pdf
(運営委員 小野寺勲)
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■ <2> 減プラスチック社会提言書を外務大臣・環境大臣に提出!
■ 「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」
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5月29日外務大臣・6月3日環境大臣に、減プラスチック社会提言書 〜G
20大阪サミットを前に、責任ある日本のあり方を示す〜と題して、 「減
プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」(環境団体24団体)が、
それぞれの大臣に提言書を提出し、6月3日午後に、院内集会を開催しま
した。多数の国会議員の参加があり、高田秀重農工大教授の基調講演の後、
各団体からも提言に繋がるプレゼンをしました。
<提言書の主な内容>
@減プラスチック社会への構造転換に向けたプラスチックの大幅削減。
(使い捨てプラスチックの生産・輸入・消費量の大幅削減)
(プラスチック製レジ袋提供の原則禁止)
A焼却処理(熱回収含む)、及び、埋め立て処理についての段階的大幅削減。
B「大量生産」「大量消費」「大量廃棄」からの転換を図るシステムの構造転換。
(環境負荷低減コストをプラスチックの価格に転嫁するシステムの構築)
(拡大生産者責任の徹底のための法整備)
尚、全文はこちらからご覧ください。↓
http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/20190530.pdf
<減プラスチック社会を実現するNGOネットワークメンバー団体>
グリーンピースジャパン、JEAN、パートナーシップオフィス、
容器包装の3Rを進める全国ネットワーク、全国川ごみネットワーク、
WWFジャパン、プラスチックフリージャパン、
ダイオキシン環境ホルモン 対策国民会議、日本野鳥の会、OWS、
日本自然保護協会。 他賛同団体13団体
(副運営委員長 中井八千代)
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■ <3>G20のエネルギー・環境相会合の
■ 海洋プラスチックごみの共同声明について
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2019年6月15日・16日に開かれていたG20(主要20カ国・地域) のエネ
ルギー・環境相会合は、海洋プラスチックごみの削減に 向けて、初めて
の国際的な枠組みをつくることで合意し、 共同声明を採択しました。
共同声明では、各国それぞれが自主的にプラスチックごみの海への流出
を防ぐための行動計画をつくり、進捗状況を定期的に報告し、情報を共
有する枠組みを整えるとしました。
また、環境省では日本の議長国任期の11月末までに、進み具合などを
共有する初回の会議を開きたいそうです。
欧州連合からは、プラごみの排出量を抑制することが大事だ、という意
見が出ていましたが、日本ではレジ袋の有料化しか プラスチックを規制
する予定がないため、具体的なプラスチック 削減策を盛り込むことがで
きず、行動計画は各国が自主的に 作るため、実効性の確保が今後の課題
となります。
(運営委員 小寺正明)
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■<4>第24回 東京23区とことん討論会渋谷区で開催!
■ 7月24日(水)9:45〜美竹の丘・しぶやにて
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第24回「東京23区とことん討論会」は初年度に立ち返り、 渋谷区で開
催し、今年度で最後といたします。 とことん討論会の開催を思い立った
のは、バブル景気が崩壊したあとも、名残のようにごみが大量に廃棄さ
れ、始末のために 大量焼却が行われ、それにより埋立地が逼迫している
現状に、 市民として何かできることはないかと考えたからです。
23区を全て周り、最後となる今回、基調講演は世界的なごみ問題 である
海洋汚染「海のプラスチックの汚染」をテーマとし、 共同通信論説委員
の井田徹治氏を迎えて「G20後の動向と今後」 を、更に第1分科会で
この問題を掘り下げ解決策に迫ります。 また、第2分科会はこれまで積
み重ねてきた議論から見えてきた 「清掃工場と各区の役割、責任」、な
ぜ「燃やさない!埋立てない!」 ごみ処理へ進むことができないのか、
などを討論します。
そして最後は、これまでの23年間を振返る全体会とします。 皆さま、ぜ
ひ最後の「東京23区とことん討論会」にご参加ください。
詳しくはコチラからご覧ください。↓
http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/tokoton24.pdf
(副運営委員長 中井八千代)
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■ <5>【レポート】EUでは、2021年から使い捨てプラスチック使用禁止
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欧州議会では昨年10月に使い捨てプラスチック製品の使用を禁止する法
案(原案)を可決し、今年3月には正式に可決しています。そして、EU理
事会(加盟国政府の閣僚で構成)は、5月21日、「使い捨てプラスチック
指令案」を正式に可決し、EU指令が成立しました。
指令には、以下のことなどが含まれます。
1)代替品が既に存在する使い捨てプラスチック製品の販売を禁止
(対象は、フォーク、皿、ストロー、綿棒の芯、発泡スチロール製の食
品と飲料の容器・カップ類、 生分解性プラスチックの中でも分解性が弱
い「酸化型生分解性プラスチック」製品等)
2)プラスチック製の食品・飲料容器、カップ類の消費抑制
これにより、EU加盟国は発効の2年以内にこのEU指令を国内法化する義務を負
います。2年後の2021年には、EU各国で、対象となる使い捨て プラスチック製
品の使用が全面的に禁止となります。
メキシコの首都メキシコ市の議会でも5月に、使い捨てプラスチック 製品の売買
やレジ袋提供を禁止する条例を可決し、2021年1月に施行される予定です。
カナダの首相も、今月、使い捨てプラスチックの使用を早ければ 2021年に禁止
する方針を発表しました。 世界的には、使い捨てプラスチック使用禁止の動き
が広がっています。
(運営委員 伊藤浩子)
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■<6>福岡県水俣市の田中利和さんからの活動報告
■ <3R政策地域研究会in福岡>
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【水俣エコタウン企業】
●水俣市の分別収集について
昨年11月からごみの減量化を目指す水俣市は、資源ごみの分別収集品
目に 飲料用紙容器(アルミ付・無)を追加したが、市関連施設(医療セン
ター ・介護施設等)からの紙パックは焼却処分されていたが、市民側か
ら リサイクルすべきとの声が上っている。このことに伴い、民間も含
めた医療機関は対応に困っている。 ごみの発生しないびん牛乳(リユー
ス)が復活できないかとの議論が 生まれている。
●食品衛生法の改正について
厚生労働省は昨年「食品衛生法」を15年ぶりに改正した。 7つの改正
点があるがC番目の”食品用器具・容器包装”に ポジティブリスト制度
導入に踏み切った。
現行:ネガティブリスト制度(使用を原則認めた上で、使用を 制限する
物質のリスト化)
改正案:ポジティブリスト制度(使用を原則禁止した上で、使用を認め
る物質をリスト化)
上記により、各乳業メーカー(全国牛乳容器環境協議会)は 学校給食容
器(紙・びん)の在り方についてHACCP(ハサッブ)に 沿った衛生管理の
実施を求める。
※今後の検討点
・学校給食において、牛乳パック製品配送車による廃棄物の 回収が問題となる。
・牛乳製品工場において、同一施設内での紙パックリサイクル 設備運用について。
・学校現場においての、牛乳パックの中間処理(資源化)の導入について。
※学校施設の中間処理とは、牛乳パックの前処理(開く・洗う・乾かす)
HACCP:原料の受入から製造、製品の出荷までの一連の工程において、 食中毒
などの健康被害を引き起こす可能性のある危害要因を科学的根拠に基づいて管理
する。
【九州GPN部会長】
九州グリーン購入ネットワークでは、2018年に設立10周年迎え、 更なる会員組
織の拡大を図り会員相互の情報の共有化する為のツールとして、 2019年版「九
州グリーン購入ガイドブック」を作成しました。 このガイドブックの活用により、
広く会員他に情報を発信し、 環境をキーワードに九州循環圏の確立に繋げる活動
を、実践していきます。
問い合わせ先:九州グリーン購入ネットワーク事務局
TEL 092-662-0410 FAX 092-674-2361
E-mail:kyushugpn@keea.or.jpshugpn.jp URL:http://www.kyushugpn.jp
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事務局からのお知らせ
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● 会議開催日程
◎ 運営委員会
◇ 2019 年 7月 25日(木) 14:00 〜 16:00
場所:市民運動全国センターです。
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。
ご不要の方はご連絡ください。
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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0082 東京都千代田区一番町9−7 一番町村上ビル6F
市民 運動全国センター内
TEL/03-3234-3844 FAX/03-3263-9463
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