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「メールニュース」 バックナンバー

第210号(2019年12月27日発行)

  

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   容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース

        第 210号   2019 年 12 月 27 日

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 プラスチックごみ削減に関して、ローカルなニュースですが注目して欲しい情報を紹介します。去る8月27日、栃木県と県内の全市町(25市町)が共同で「プラごみゼロ宣言」を発表しました。朝日新聞が栃木版で大きく取り上げています。
https://www.asahi.com/articles/ASM8W3SJDM8WUUHB006.html

 この件、実は3R全国ネットニュース9月号で小山の環境を考える市民の会の楠代表による栃木地区活動報告の中でも触れられているのですが、内容について少し詳しく紹介したいと思います。

 この宣言では、社会問題になっている海洋プラスチックごみについて「山から川、川から海へとつながる中で発生するものであるため、上流の栃木県においても自分の問題として考えていく必要がある」と指摘。行動の目標として使い捨てプラスチックの使用削減、再生材や生分解性プラスチックの利用促進、プラスチックごみのリサイクル徹底を掲げており、筆者の地元である下野市の広瀬市長は「海なし県から取り組むことに意義がある」と述べています。県と県内の全自治体が共同でこのような宣言を採択したのは全国的にも前例がないことであり、画期的な取組みとして評価できると思います。

  しかし一方で課題があることも指摘しなければなりません。最大の問題は、いつまでにどのようにしてプラごみゼロを達成するのか、明確な目標値がないことです。これがなければ具体的な計画の立案も達成状況の評価もできないと思います。また、県の主導と各市町の主体的取り組みとの関係も曖昧です。
下野市長の市政懇談会にてこの件を質問したところ、市長の回答はマスコミに発表された当面の実施事項にとどまり、市としての独自の取組み等の紹介はありませんでした。 

マスコミに発表されたものとは、県と共同で店舗にレジ袋削減への協力を求める、飲食店には生分解性ストローを推奨する、消費者である県民に新たな3R(Rethink, Refuse, Refine)を意識した消費行動を求める、等です。

 しかしこれでは、世界がレジ袋の禁止や使い捨てプラスチックの禁止に向っている中で、あまりにも悠長で手ぬるいように見えます。つい最近、経産省がレジ袋有料化に関する省令改正案パブコメを公募しましたが、この案も抜け穴だらけで実効性が疑われるものでした。国の法制化に頼らず、亀岡市のように自治体で主体的かつ先進的に取り組むことが望まれます。

 ともあれ、栃木県と県内全市町が「プラごみゼロ宣言」をしたのは画期的なことなので、これを機会に使い捨てプラスチックの削減に本気で取り組む必要があります。下野市の環境市民会議 でも具体的な取組み(会議でのペット飲料支給廃止、マイボトル持参の促進、市内での給水機設置、等)を働きかけているところです。

  代替プラはコストアップ(新たな資源の消費)になることから何でもプラスチックに依存する生活様式自体を見直すことが必要です。今後も栃木県に限らず、今後の各自治体の取組みにも注目して行きたいと思います。

(政策委員 益子友幸)

----- 目 次 --- C o n t e n t s --------------------------------
巻頭言
<1> レジ袋有料化小委員会の傍聴報告
<2> 【レポート1】 省庁や国立大学、都庁などで、使い捨てプラスチックの提供・会議での ペットボトル飲料の配布を取り止め。事業者も相次ぐ。
<3> 【レポート2】 LOOP−容器をデポジットで回収して回していく取り組み
<4> 「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク 壷阪道也さんからの活動報告
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■ <1> レジ袋有料化小委員会の傍聴報告
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12月25日に、経済産業省と環境省の審議会のレジ袋有料化検討小委員会合同会議が 開催されました。最も重要なポイントに絞って報告します。
パブリックコメントに付されたレジ袋有料化実施案では、あらゆるプラスチック製買物袋を有料化することを基本とするとしながら、現行のレジ袋については省令に基づいて有料化の対象とする反面、次の3種類のプラスチック袋は有料化の対象外とされました。
@バイオマスプラスチックの配合率25%以上の袋
A繰り返し使用できる厚さ0.05mm以上の袋
B海洋性分解性の袋これらの袋については、「環境価値に応じた価値づけ」をしていく
という わかりにくい説明にとどまっていたことから、パブリックコメントでは、これらの袋が無料で配布されることを懸念する声が多数寄せられました。

12月25日に提示された案では、「環境価値に応じた価値づけ」について、「その価値が適切に評価された上で適正な価格が支払われることが期待される」という説明が加わりましたが、小委員会では3人の委員から、これらの袋についても運用面では有料化を促していくことを明確にすべきであるという意見が出されました。併せて、先行している有料化の取り組みを妨げないようにしなければならないという意見も出されています。 

これらの意見が事業者への取り組みの周知や定期報告制度による事業者の取り組みのチェックなどにどう反映されるか注目していきたい。 
なお、12月25日の小委員会の資料は下記のサイトに掲載されています。
http://www.env.go.jp/recycle/council/03recycle/y0313-04b.html
(運営委員 小野寺勲)

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■ <2>【レポート1】 省庁や国立大学、都庁などでも、使い捨てプラスチックの提供禁
■           止や会議でのぺットボトル飲料を取り止め。企業も相次ぐ。

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● 政府は、省庁や国立大学など国の全209機関で、庁舎内の食堂での 使い捨てプラスチック製ストローやスプーンなどの提供や、会議などでのペットボトル 飲料の配布を取りやめる方針を決め、グリーン購入の基本方針の改定を閣議決定しました。 

新年度から、業者と契約する際、「脱使い捨てプラスチック」の取り組みを選定の条件にします。   
有識者を集めて開く会議を業者に委託して運営する際も、飲み物をペットボトルなどで 
提供しないことを選定条件に追加しました。 
環境省は、少なくとも年間8万5千本分の削減効果があると試算しています。

● すでに鎌倉市は、会議や庁内の自販機からペットボトルの廃止をしていますが、都庁でもプラスチック削減方針を決め、会議でのペットボトル飲料を禁止しました。  
自治体が自ら公費による使い捨て容器入り飲料の購入を廃止または抑制することは、  
議会の承認などは必要なく、内規で定めることなどで実施可能であるため、国内外で多く実施されています。

● ソニーは2020年度までに、社内でのペットボトルの提供やレジ袋の配布を廃止します。

● 電機大手、富士通(東京都港区)は今年6月、事業所内に設置された自販機などで、 
ペットボトル飲料の 提供を止めていく取り組みを始めました。目標は、グループ会社も含め年間約700万本あったペットボトル利用をゼロにすることです。

● 住宅大手の積水ハウス(大阪市北区)も昨年11月以降、グループ会社とともに 
事業所内の自販機から順次ペットボトル商品をなくしています。

国のプラスチック戦略「2030年までにワンウェイブラスチックを累積25%排出抑制する」に向けた動きが、やっとスタートしました。これらの動きをさらに全国に広げてゆきましょう。 
(運営委員長 中井八千代)

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■ <3> 【レポート2】 LOOP−容器をデポジットで回収して回していく取り組み
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 東京都では、ワンウェイプラスチックの削減などを目的に先駆的取組を都と共同して実施する事業者を次のように選定しました。 
リユース容器を利用した商品提供プラットフォーム(Loop)で、食品や日用品を、製品ごとに開発された専用リユーザブル容器で販売し、宅配で配達・回収・再使用する事業です。

 容器はデポジットを取ります。実施はTerraCycle Japan合同会社とそれに参加する企業で、現在、味の素、I-ne(アイエヌイー)、イオン、エステー、大塚製薬、キッコーマン、キヤノン、キリンビール、サントリー、資生堂、P&Gジャパン、ユニ・チャーム、ロッテの13社の参加が決まっていて、さらに交渉中の企業が数社あるそうです。

エコプロ2019で、展示していた容器は、ものによっては大きいため、1ヶ月ごとに配達回収する間に消費するには量が多く、過剰消費の懸念を感じました。なお、今は2020年の秋の実施に向けて準備を進めているところだそうで、今後容器の変更もあるそうです。
(運営委員 小寺正明)

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■ <4> 「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク 壷阪道也さんからの報告
■            <3R政策地域研究会in静岡>
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 結成22年目、毎月の定例会も266回を重ね、容リ法 改正、拡大生産者責任の徹底の循環型社会を目指し、静岡地域での「ゴミゼロプラン」提案・実現を目指してきた。

未だ使えるモノを市民が持ち寄り、無料で持ち帰るイベント「ゴミゼロフェスタ」。
2000年から始まり、最近は年2回開催で、昨年10月で第29回を数えた。毎回100名近くのボランティ アが集まり、1000〜1500名の来場者で賑わう。持ち込まれたもののほとんどが、来場者によって持ち帰られる。
どうしても残ってしま うものは、古着なら古紙業者を通して、古着リサイクル業者によって輸出、ウエス、反毛(はんもう)として原毛などとして使われたりする。残りは清掃工場で、不燃、可燃ごみに分類され処分される。
清掃工場でゴミゼロフェスタを行えるのは、こうした残渣処理するのに都合がよいことと、広い駐車場スペースが確保できるこ とが重要だ。沼上清掃工場が、ゴミゼロフェスタに提供してくれる駐車スペースは最大で350台近くにもなる。

ゴミゼロフェスタはリユースイベントである。「未だ使えるのに、もったいない!何とか使いまわしができないものか・・」その思いで、 20年もゴミゼロフェスタを運営してきた。
だが実際は、ボランティア集め(=手配師)と一度に押し掛ける車の誘導に最大の神経と労力を使 う。しかも、誘導係のボランティアは、事前打ち合わせ無しの要員ばかりだ。もうひとつおまけに、「呆れるほど細かい」
静岡市との打ち合わせだ。その矢面に立つ私より、それを見ている仲間たちから、何やってんだろ う!みたいな意見もある。

 ゴミゼロフェスタは、大きくなったが故にかこのように目的外のことに神経をすり減らさなければならなくなっている。そこへ、沼上清掃工場の大改修工事により数年間会場として使えないという問題が発生した。
2020年4月は、ギリギリ工事が始まらないということで第30回 開催までは決まった。問題は2020年秋以降の第31回からだ。
静岡市にもう一つある西ヶ谷清掃工場。ここも候補の一つだが、沼上と比べてやや狭い。
近隣住民との関係で押しかける車の渋滞起こしてはならないという条件付。しかも、沼上と比べ市の西北の端にあり多くの仲間 にはやや遠い。行政は注文はつけるが、いまいち協力的でない。
それなら、もう駐車場整理などの無い生涯学習センターなどで小規模のゴミゼロフェスタはできるのか?など迷いはある。  
ゴミのことなら何でもやろうというのがゴミゼロネットであったのだが、昨今はゴミゼロフェスタをやりきるのが精一杯なのが現実だ。

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事務局からのお知らせ
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● 会議開催日程
◎ 運営委員会
◇ 2020 年1 月 22日 (水)  14:00〜16:00
 場所:市民運動全国センターです。

※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。
ご不要の方はご連絡ください。

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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0082 東京都千代田区一番町9−7 一番町村上ビル6F
市民 運動全国センター内
TEL/03-3234-3844   FAX/03-3263-9463

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