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■ 第215号(2020年6月16日発行)
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容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース
第 215号 2020 年 6 月 16 日
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緊急事態宣言に続き、東京アラートも解除されましたが、まだ安心とは
言えない状況が続いています。
さらに、米国海洋大気庁(NOAA)は、2020年が観測史上、最高気温の
年となる可能性は75%と警鐘しています。
医療従事者の皆様に心より感謝し、気を緩めることなく感染防止対策
に努め、 熱中症にも気をつけましょう。
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これまで、いらなくなったものは誰のものでもなく社会のものとして廃棄
後の責任を製造者に問わないシステムが、後始末を考えない大量生産、
大量消費、大量廃棄の構造を作り上げて来ました。
その結果が今、海洋プラスチック汚染として突きつけられています。
プラスチックごみの約8割を占める容器包装廃棄物は、リサイクルが義
務付けられているにも関わらず、ごみとして焼却されたり、回収を免れて
散乱し、川などを経て 海にまで達し、 マイクロプラスチックとなって海洋
汚染、生態系の破壊をももたらしているのです。
EUをはじめ世界では、 持続可能な循環型社会の構築 と海洋プラスチ
ック汚染の有効な解決策として、原料(石油等)に頼らず、今在る製品・資
源(廃プラスチック等)を100%近く回収し、最大限活用して、ごみをゼロ
に近づけるサーキュラ―エコノミー(循環型経済)が、急速に進められて
います。
これを効率よく進めるうえで基本となるのが、「生産者が、自ら使用済
み製品を回収・リサイクルし、再生資源を自社製品に最大限活用する。
または、再生資源として販売する」EPR(拡大生産者責任)の考え方です。
生産者は、リサイクルしやすい素材・構造の容器包装を採用するように
なり、ごみはほとんど出なくなります。さらにごみ処理にかかる経費を減
らし、企業イメージも高めることができるはずです。
SDGsが経済界をも含む目標となっており、ゼロエミッションに取り組む
企業も増えてきています。例えば、富士通グループは、拡大生産者責任
で、資源再利用率90%以上を達成し、(株)リコーは、リユース・リサイクル
を進め、再資源化率98.8%(2018年国内)を達成しています。
日本企業もSDGsに向けて大きく前進しています。私たち消費者も、大
切な役割である「減らす ・繰り返し使う・使ったら資源として確実に戻す」
ことを徹底して行きましょう。
(運営委員長 中井八千代)
----- 目 次 --- C o n t e n t s --------------------------------
巻頭言
<1> 「プラスチック資源循環戦略」の具体策の検討が始まる
<2> 【レポート】コロナ禍で急増するプラごみと対策に向けた取り組み
<3> 北海道「リサイクルプラザ宮の沢」久木あゆみさんからの活動報告
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■ <1>「プラスチック資源循環戦略」の具体策の検討が始まる
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国は、2019年5月に、プラスチック資源循環(リデュース等の徹底、効果
的・効率的で持続可能なリサイクル、再生材・バイオプラスチックの利用促
進)や海洋プラスチック対策、国際展開、基盤整備を重点戦略とするととも
に、6項目の数値目標(マイルストーン)を掲げた「プラスチック資源循環戦
略」を策定しました。
国は、今年の5月になって、これらを推進するための具体的施策を検討
する以下のような小委員会を相次いで立ち上げています。
@5/12「プラスチック資源循環小委員会」
(「プラスチック資源循環戦略」を審議した「プラスチック資源循環戦略小委
員会」とは別)
A5/18「サーキュラー・エコノミー及びプラスチック資源循環ファイナンス研究会」
B5/22「バイオプラスチック導入ロードマップ検討会」
まだ情報共有と論点整理のために、関係者からのヒアリングなどを行っ
ている段階ですが、国が「プラスチック資源循環戦略」の推進に本腰を入
れ始めたことを報告します。
なお、容器包装リサイクル法の見直しについては、今年の後半にも審議
会が開催されるようです。
(運営委員 小野寺 勲)
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■ <2> 【レポート】コロナ禍で急増するプラごみと対策に向けた取り組み
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自宅近くのスーパーでも3月には、バイキング方式だった揚げ物が、一つ
ひとつ丁寧に個包装されていたように、コロナ禍以降、すっかりプラ容器包
装が増えてしまったと感じています。
このことは、ごみにも顕著に表れ、東京都内で容器包装プラスチックを分別
回収している区のうち11区の平均回収量は、前年の同月比で約1割増え(4月)、
横浜市でも12.5%(4月)増えているとのこと。
大阪市で分別回収した容器包装プラスチックは6.8%増(3月)、8.4%増(5月)、
京都市も8.8%(3月)、6.8%増加(4月)、広島市のリサイクルプラは17%増加(4月)
しています。
削減努力によって、家庭から出るプラスチックごみは減少傾向だったので、
急な増加は、新型コロナの影響で、テイクアウトやデリバリー、スーパーでの
食糧品購入が増えたことが背景にあると言われています。
レジ袋禁止条例を制定し、プラスチックごみ削減の動きが高まっている亀岡
市でも、プラスチック製容器包装ごみが3月に12%、4月に13%増加しました。
そこでテイクアウトのプラごみを減らそうという市民の発案に応え、亀岡市も
1週間で『「プラごみゼロ」クーポン』の新事業をたちあげたとのこと。
4月末から始まったこの事業では、客が容器やマイバッグの持参や、はし・
スプーンなどを断ると10円のクーポンをお店から受け取ります。
その割引額は市がお店に対して負担します。
特典が付くと楽しみも増え、容器を持ってテイクアウトして、店内提供を自粛
していたお店の応援にもなるのは素敵な取組みです。
市内の約90のお店が参加しているとのこと。
自分の身近な地域でも、これを機に容器を持ってテイクアウトすることが普
通のこととして広がるといいのにと思いますが、なかなか進んでいません。
まずは地域ぐるみでこのような取組みが始まるような働きかけが必要なのか
と感じています。
(運営委員 伊藤 浩子)
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■ <3>「リサイクルプラザ宮の沢」久木あゆみ さんからの活動報告
■ <3R政策地域研究会in北海道>
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札幌市のごみ減量啓発施設である「リサイクルプラザ宮の沢」。今年2月の
環境イベント※にて、プラスチックごみ問題について、参加者から多くの熱い
意見が寄せられました。全国で高まる容器包装の3Rを進めるうねりの一つと
して、ごく一部ですが紹介します。
※【エコトーク映画会】:『プラスチック・チャイナ(中国のプラスチックリサイク
ル工場で働く貧しい一家のドキュメンタリー)』上映。
トークゲスト:中井八千代 氏。来場者356人(定員400人)
(以下、アンケート自由記入欄より。原文のまま)
●日本はこんなにうすらぼけでよいのか…もっともっとこの事を発信して欲しいです。
●格差と健康、教育など、プラスチック問題から大きな問題が見えて来ました。
●私達は生活を綺麗に送るために、プラスチックを使っているのに、そのなれの果てはどうなんだろう。みんながこういう世界を作ってしまった。それでもプラスチックを使わなければいられない生活になってしまった。
●エコバッグを持ち、ペットボトルをできるだけ使わない、そんなことをしていますが、個人の力では到底打倒できない状況が苦しいです。
●少し前まで調味料はビンガラスに入っていたが、今はプラに変わった。便利で使いやすくなったが、便利なだけで良いのか考えければならない。
●大変な事実に愕然としてます。気軽に生活していて申し訳ない気持ち。
●どうしてこれだけ色々な容器を次々と作ってしまうのか、社会全体が考えないといけないと思いました。
●ドラスチックの問題が待ったなしの段階だと、改めて実感。政府、行政が、経済界をも巻き込んで進めなければ地球がこわれそう
報告:リサイクルプラザ宮の沢 http://www.sapporo530.or.jp 広報主任 久木
------------------- 事務局からのお知らせ------------------------
● 会議開催日程
◎ 運営委員会 : コロナウィルス感染症が落ち着くまで、テレワークになります。
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。
ご不要の方はご連絡ください。
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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0082 東京都千代田区一番町9−7 一番町村上ビル6F
市民 運動全国センター内
TEL/03-3234-3844 FAX/03-3263-9463
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