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「メールニュース」 バックナンバー

第216号(2020年7月16日発行)

  

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   容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース

        第 216号   2020 年 7 月 16 日

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九州地方から全国に広がる大雨で被災された皆様に、心よりお見舞い
申し上げます。(事)
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 今夏、7月1日から「レジ袋有料化の義務化」が始まりました。道半ばの
「持続可能な社会」に新たな道が開けるかどうか、考えてみました。 
 新型コロナウィルス感染に伴う「緊急非常事態宣言」が出された時期、
近所の八百屋で「エコバックを持って町に出かけよう」という広報ポスター
を発見。財務省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・環境省が揃い、
一歩を踏み出す手筈が整ったのでしょう。

 「循環型社会形成推進法」(循環法)制定から20年目の実現です。レジ
袋有料化の義務化は、「プラスティック資源循環戦略」(令和元年)の「リ
デュース」の位置づけです。
 2030年の中間目標値を「ワンウェイのプラスティック(容器包装)を、こ
れまでの努力も含む累積で25%排出抑制を目指す。」としました。環境
省に累積の期間を問うと、基準日の設定はない。すでに取組んできた事
業者、これから取組む事業者間の不公平を考慮し、“総合的”に判断と答
えましたが、さて、これで“有料化の義務化”が進むでしょうか。

 マスコミの扱いがエコバック中心の話題が多い中、福岡地方では、6月
30日付け西日本新聞の特集「プラごみ減 日本も本腰」が役立ちました。
レジ袋の代替品「バイオプラスティック」の導入に、国連が警鐘を鳴らす
という内容です。利用促進を図る日本としての対応に、注視が必要です。

 なかなか進まない「リデュース」。要因は、「拡大生産者責任」(EPR)の
不公平な負担です。本来、生産者責任の“使用済製品の回収・リサイクル
・廃棄”の費用が、市町村の税金である問題と、循環法に定めた「熱回収」
=「リサイクル」の法改正無くして「持続可能な社会」は描けません。

 この問題と向き合って30年。もどかしさの中で7月1日を迎えました。これ
からの超高齢化社会と少子化、度重なる自然災害とコロナ禍など、課題山
積の時代です。「持続可能な未来」に向け、年齢と相談しながら、もうしばら
く関わりを持って行こうと考えています。

                              (政策委員 片山純子)

----- 目 次 --- C o n t e n t s ----------------------------------------
巻頭言
<1>  環境省が「気候危機宣言」を行ないました
<2> 紙しばい教材「海洋プラスチックごみについて考えよう」をリリース!
<3> 【レポート】何千トンものマイクロプラスチックが空から降っている!
<4> 栃木県「環境問題を考える会」益子 さんからの活動報告

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■<1> 環境省が「気候危機宣言」を行ないました。

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 2020年6月12日、環境省が取りまとめた「環境白書・循環型社会白書・生物多様
性白書」が閣議決定されました。

 白書では「気候変動をはじめとした地球環境の危機」について警鐘が鳴らされ、
「一人一人から始まる社会変革に向けた取組」が提起されています。
http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/index.html

 これをベースにして、同日、環境大臣が環境省としての「気候危機宣言」を行い
ました。環境省にはもっともっと頑張ってほしいところです。
http://www.env.go.jp/annai/kaiken/r2/0612.html

 ところが、白書にも掲載された、2018年度の「最終処分場の残余容量及び残余
年数の推移(一般廃棄物)」(p224)では、残余年数も残余容量も減少しています。

 最終処分場の問題は30年以上前から明らかになっていた問題なのですが、い
まだに解決できていません。
http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r02/pdf/2_3.pdf

 奇禍となった新型コロナウィルスをチャンスに変え、真に持続可能な社会に転
換したいものです。

                                     (事務局 山本義美)

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■ <2> 紙しばい教材「海洋プラスチックごみについて考えよう」をリリース!
■ 海洋 プラスチックごみの問題に取り組む、当会を含む4つのNGO団体が協働制作

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 日常生活のあらゆる場面で使われるプラスチックが、プラスチックごみとして海洋
環境を汚染し、海鳥やウミガメ、魚などの様々な生きものに甚大な影響を与えてい
ます。こうした海ごみの約8割は陸由来といわれています。

 この問題を多くの方に伝え、プラスチックに過度に頼らず、より持続可能な社会を
実現するために、プラスチックごみの問題に取り組む、当会を含む4つのNGO団体(WWFジャパン、全国川ごみネットワーク、日本野鳥の会)が協働で、紙しばい教材
「海洋プラスチックごみについて考えよう」を作成し、誰でもが無料で活用できるよう、
7月23日の海の日に向けて、一般公開しました。

 この紙しばい教材を通じて、海洋プラスチックごみについて多くの方々に知ってい
ただき、共に行動する仲間が増えることを願っています。

内容は下記よりダウンロードしてください ⇓
http://www.citizens-i.org/gomi0/activities/umigomi.html

                                 (運営委員長 中井八千代)

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■<3> 【レポート】何千トンものマイクロプラスチックが空から降っている!

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 黄砂が海を渡り、飛んできます。それと同様に、人間が捨てたプラスチックは、
環境中で小さな破片に壊され、大気中を漂います。

 研究者たちは、米国西部の11の国立公園と荒野地域からマイクロプラスチッ
クを1年以上費やして収集しました。雨や雪の降っていないときに降下した粒子
と、雨または雪に伴って落下した粒子を別々に調べています。

 マイクロプラスチックの動き方に光を当てることに加えて、Scienceに公開され
た結果により、問題の実際のスケールが明らかになりました。1,000トン以上の
マイクロプラスチック(重量で毎年1億2千万〜3億のプラスチックウォーターボト
ルに相当)が、米国の西部地域の保護された土地に落下します。この新しい発
見により、マイクロプラスチック汚染の潜在的な環境と人間の健康への影響に
対する科学者の懸念が大きくなりました。

 「このマテリアルを吸い込むことは想定されていません」と、この新しい研究に
関与していなかったスコットランド・ストラスクライド大学のマイクロプラスチック
研究者であるスティーブ・アレンは言いました。環境のプラスチックは、「あらゆ
る種類の殺虫剤、重金属、他のすべての化学物質を運びます」、そして 「それ
らを直接私たちの肺に運びます。」と彼は付け加えます。

 なお、これは米国だけの話しではありません。日本にもマイクロプラスチック
が降っているのです。

                                  (運営委員 小寺正明)

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■ <4> 栃木県「環境問題を考える会」益子 さんからの活動報告

■            <3R政策地域研究会in栃木>

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 「3R政策地域研究会in栃木」では小山市を拠点とする「小山の環境を考える市
民の会」と下野市を拠点とする「環境問題を考える会」の2団体が力を合わせて活
動しています。

 今年は新型コロナ感染対策のため当地区の市民活動も制約を受けていますが、
前回報告(207号、2019年9月15日)以降の主な活動実績について以下の通り報
告します。

1. 昨年10月、小山市民活動センターの「おやまーる・まちなか交流まつり」にパ
ネル展示で参加。また「下野市生涯学習情報センターまつり」に参加し、フリーマ
ーケットやごみ分別クイズを実施。ともに市民に対して活動紹介やごみ減量化の
啓発を行った。

2. 昨年11月、秋の環境講演会として中井八千代さんによる講演「地球が怒ってい
る!!あふれ出るマイクロプラスチック。今、私たちに出来ること」 を開催。マイ
クロプラスチックによる海洋汚染の現状や課題を市民に啓発した。

3. 昨年12月、経産省のレジ袋有料化に関するパブコメに意見を提出した。
 (有料化の対象外が効果を阻害する、 最低価格の規定が必要、等)

4. 栃木県と県内全市町が昨年採択した「プラごみゼロ宣言」について、今年2月
に栃木県と小山市宛て要望書(具体的な施策等)を提出し、回答を受領した。

5. 今年3月、小山広域組合の議会を傍聴し、ごみ処理基本計画の見直し案につ
いて情報を得るとともにパブコメの実施を確認した。

6. 今年5月、小山広域組合による「ごみ処理基本計画素案」のパブコメ意見募集
に対し、2R優先とEPRの視点から多くの意見を提出した。
 (焼却炉の規模拡大や安易なごみ有料化導入への疑問、他)  

 以上の他に、今年4月には小山の環境を考える市民の会の総会記念講演、7
月には環境問題を考える会の総会記念講演を予定していましたが、いずれもコ
ロナ対策で中止となりました。(後者は総会のみ7月中に実施予定)

 なお、この7月に小山市長選挙があり、弁護士で無所属の新人が6選を目指し
た現職を破って当選しました。新小山市長は渡良瀬遊水池のラムサール登録
運動を牽引した市民活動家であり、小山の環境を考える市民の会の顧問でもあ
ります。今後は小山市の環境行政や小山広域のごみ行政が市民の目線から見
直され、前進するものと期待されます。

------------------- 事務局からのお知らせ------------------------
● 会議開催日程
◎ 運営委員会 : コロナウィルス感染症が落ち着くまで、テレワークになります。
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。
ご不要の方はご連絡ください。

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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0082 東京都千代田区一番町9−7 一番町村上ビル6F
市民 運動全国センター内
TEL/03-3234-3844   FAX/03-3263-9463

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