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■ 第220号(2020年11月17日発行)
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容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース
第 220号 2020 年 11 月 17 日
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<進展しないプラごみのリデュース>
2018年度の一般廃棄物系プラごみの排出量は、9年前の2009年度(リー
マンショックの翌年)と比べて3.4%しか減少しておらず(プラスチック循環
利用協会資料)、この9年間、プラごみの削減はほとんど進展していませ
ん。ちなみに、この間に、一般廃棄物の排出量は7.6%減少しています
(環境省資料)。
では、なぜプラごみのリデュースが進まなかったのか。その理由としては、
以下の2つが考えられます。
一つは、国は、これまでの取り組みを検証して、リデュースが進まなかっ
た原因を究明し、有効な対策を講じてこなかったことです。最近策定され
た「プラスチック資源循環戦略」や「今後のプラスチック資源循環施策の基
本的方向性を踏まえた主な施策について」においても同様です。
結論をいえば、原因は事業者の自主的取り組みに委ねてきたことにある
ことは明白であり、レジ袋有料化を義務化したように、過剰包装や使い捨
てプラ製品についても法的規制が必要であると思われます。
もう一つは、国は、これまでリデュースの推進を打ち出してきたものの、い
つまでも総論にとどまっていて、事業者が取り組むべきことを具体的に示
してこなかったことです。「プラスチック資源循環戦略」においてリデュース
の対象としてレジ袋が明記されたように、リデュースの対象を具体的に提
示することが最低限必要です。削減や代替素材への転換の対象としては、
過剰包装では、外装フィルム、中トレイ、個包装など、使い捨てプラ製品で
は、食器、カトラリー、ストロー、弁当・テイクアウト用容器などといったもの
が考えられます。
(運営委員 小野寺 勲)
----- 目 次 --- C o n t e n t s --------------------------------
巻頭言
<1> 【レポート1】 京都市の次期ごみ減量計画案に「 ペットボトル半減目標 !」
<2> 【レポート2】 乳児用調製粉乳の調製中のポリプロピレン哺乳瓶の
劣化からのマイクロプラスチックの放出
<3> 認定NPO法人中部リサイクル運動市民の会和喜田惠介さんからの報告
「障がい者福祉団体とのコラボショップがついに誕生! 」
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■<1> 京都市の次期ごみ減量計画案に「 ペットボトル半減目標 !」
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京都市で2009年度にスタートした「みんなで目指そう!ごみ半減!
循環のまち・京都プラン−京都市循環型社会推進基本計画(ごみ半減プラン)」
が、2020年度で満了するのを受け、京都市廃棄物減量等推進審議会は、
「新京都市循環型社会推進基本計画(仮称)策定に向けた提言について
(答申)」を、10月7日京都市に提出しました。
答申は以下のURLからダウンロードできます。
https://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/page/0000275973.html
<答申に込められた意欲的な目標>
同答申14ページに、「2030年度までの目標」として、個別対象ごとの
削減目標が掲げられています。
(矢印の左は2018年度実績、右は2030年度目標)
・レジ袋使用量(家庭)2,800t(市民1人当たり220枚/年)→400t(同35枚)
・ペットボトル排出量(家庭)3,300t(市民1人当たり90本/年)→1,600t(同45本)
・食品ロス排出量(家庭)2.6万t(市民1人当たり116g/日)→2.0万t(同87g)。
同(事業)3.6万t→3.0万t
・廃棄物処理に伴う温室効果ガス排出量、16.1万t(2013年度推計)→11.3万t
<意欲的・挑戦的な理由>
レジ袋については、2020年7月に全国一斉に小売店での有料化が実施され
ましたが、すでに京都市では、市内全スーパーマーケットでのレジ袋有料化
が実現しています。そのうえで、さらに7分の1に減らそうとする目標です。
ペットボトルについては、市の受入量の目標ですので、販売店に回収を
求めていくことにもなりますが、市民に向けて、リデュース意識や発生抑制行動
の普及もかなり進めないと受入量の半減は実現しません。
増え続けるペットボトルに対して、「リサイクルの徹底」ではなく半減を
掲げたのですから、意欲的・挑戦的と言えるでしょう。
<広まれ全国に>
答申内容の計画への反映を期待するとともに、その実現へ
の力になりたいと思います。さらに、このような動きが全国に広まり、
リデュース意識普及の追い風になることを願います。
(政策委員 堀孝弘)
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■<2> 【レポート2】乳児用調製粉乳の調製中の ポリプロピレン
■ 哺乳瓶の 劣化からのマイクロプラスチックの放出
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アイルランドのダブリン大学Dunzhu Li他の人たちがNature Foodに発表した
論文に、次のような報告が載っていましたので、紹介します。
マイクロプラスチック(MP)は、人間の健康に対する潜在的なリスクがあるため、
世界的な懸念事項です。食物連鎖と吸入経路を介した推定MP消費量は、米国
では年間7万4000〜21万1000粒子の範囲であり、人間の便からMPが検出され
ています。MPの研究は、主要な食料(魚など)と水源と、食品チェーンを介した
海洋から人間へのMPの潜在的な移動に焦点を当てていますが、プラスチック
製品からのMPの直接放出についてはほとんど知られていません。
ポリプロピレンベースの製品は、食品の調理や保管に一般的に使用されていま
すが、マイクロプラスチックを放出する能力はよくわかっていません。
それでポリプロピレン製乳児用哺乳瓶で調製した粉ミルクを摂取することにより、
乳児がマイクロプラスチックにさらされる可能性を調査しました。
ここでは、ポリプロピレン乳児用哺乳瓶が1リットルあたり1620万粒子ものマイク
ロプラスチックを放出することを示します。
シナリオ研究では、ポリプロピレン乳児用哺乳瓶の滅菌と高温水への曝露に
より、マイクロプラスチックの放出が大幅に増加することが示されました。
ポリプロピレン乳児用哺乳瓶の21日間のテストでは、マイクロプラスチックの
放出に周期的な変動が見られました。
生後12か月まで哺乳瓶を利用する乳児への潜在的な世界的曝露を推定する
ために、世界人口の77.6%を占める48の地域(日本を含む)を調査し、地域に
応じて1日1人あたり1万4600〜455万粒子の範囲の値を見つけました。
マイクロプラスチックへの乳児の曝露は、調合乳の調製に使用されるポリプロ
ピレンベースの製品の普及により以前に認識されていたよりも高いことを示し、
これらのレベルのマイクロプラスチックへの曝露が乳児の健康にリスクをもたら
すかどうかを評価する緊急の必要性を強調します。
(運営委員 小寺正明)
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■ <3>認定NPO法人中部リサイクル運動市民の会和喜田惠介さんからの報告
■ <3R政策地域研究会in愛知>
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<障がい者福祉団体とのコラボショップ「Re☆ショップなかた by ぐるっぺ」
がついに誕生!>
中部リサイクル運動市民の会では2020年9月に、初の障がい者福祉団体との
連携によるチャリティーショップ「Re☆ショップなかた by ぐるっぺ」
(名古屋市千種区仲田)をオープンしました。
このチャリティーショップは、中部リサイクル運動市民の会が障がい者福祉団体
「NPO法人アダージョちくさ」と連携して運営しています。
中部リサイクル運動市民の会は以前から資源リサイクル活動で、アダージョちくさ
が運営する障害者就労継続支援事業所「ワークルームぐるっぺ」の利用者(障が
い者)の就労訓練を受け入れており、それで培われた信頼関係をベースに、
新しいチャレンジとして協働でチャリティーショップをオープンすることになりました。
コロナ禍で、ワークルームぐるっぺが受注していた委託作業が減ってしまったことも
この出店を後押ししました。
中部リサイクル運動市民の会は市民から受け付けたリユース品(リユース可能な
不用品)の寄付受付・仕分け・ショップへの搬入を担当。チャリティーショップの運
営は「ワークルーム・ぐるっぺ」の利用者(障がい者)とスタッフが行い、その利益
の一部を事業所の利用者の工賃に充てています。
このショップの特徴の一つは、商品一つ一つにバーコードが貼られていること。
利用者もレジを行うことがあるため、間違えないように、陳列前に一点一点バー
コードをつくり、貼り付けています。一見非効率なように思えますが、バーコード
を貼る作業は、接客ができない利用者にとって貴重な仕事になっています。
障がいのある方々の多くは、過去に社会で傷づけられた経験を持っています。
ショップ運営を通じて、人のやさしさに触れ、人をもう一度信じられるようになって
ほしい。障がいのある利用者にとって、このチャリティーショップが
「社会との関係を再構築する場」となればと考えています。
認定NPO法人中部リサイクル運動市民の会 http://www.es-net.jp/
------------------- 事務局からのお知らせ------------------------
● 会議開催日程
◎ 運営委員会 : 12月10日(木) 14:00〜15:00 ZOOM会議
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。
ご不要の方はご連絡ください。
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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0082 東京都千代田区一番町9−7 一番町村上ビル6F
市民 運動全国センター内
TEL/03-3234-3844 FAX/03-3263-9463
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