「メールニュース」 バックナンバー
■ 第227号(2021年6月8日発行)
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容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース
第 227号 2021 年 6 月 8 日
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海洋プラスチック汚染対策が遅れている日本だが、海洋汚染はそれだけ
ではない。この原稿を書いている段階ではまだ、東京オリンピックの行方
は決まっていないが、五輪招致を決定するプレゼンテーションでの安倍
前首相の発言に「福島の汚染水は完全にアンダーコントロール」というの
があった。
とてもアンダーコントロールではない汚染水の海洋放出が決まった。量が
多すぎて保管しきれなくなったので危険な核種を取り除いた分に関して海
洋へ放出する。実施までは様々なプロセスを経なくてはならないため、2
年の期間を要するという。
放出する水のことを「処理水」と呼んでいる。「汚染水」ではなく「処理水」。
この処理水にも放射性物質が入っている。トリチウムという、水と極めて似
た性質の物質が含まれている。放出を決定した人たちは、トリチウムは稼
働している原発から排出される冷却水にも含まれている物質なので安全
性に問題はないとしている。しかも薄めてから放出するので更に安全と。
一方で、極めて似ているからこそ有機物と化合すると危険でもあるとの反
対論がある。分子生物学者の河田昌東氏によれば、トリチウムは上記の
性質から水と分離するのが難しいが、物理的な違いを用いれば分離でき
るとのことだ。
https://www.videonews.com/interviews/20210417_kawata
この水の汚染は日本の責任であり、自己の都合だけで見えない汚染源を
海洋に出すのは良くないと考える。原発事故から10年、責任を負うべき人
たちは何を為してきたのか。汚染水を発生させない努力はしたのか、汚染
を取り除く努力はしたのか。2年後から海洋放出しても全量を流すまでに40
年はかかるという。何もしていなければその間にも新たな汚染水?処理水
が溜まり続ける。ということは、海洋放出は終わりが見えない作業になると
考えられる。
薄めて放出するので大丈夫と言われても、地球上の水は限られている。
目の前の水は薄まっても100しかない水の中での量は変わらない。易きに
流れるのではなくきちんと汚染物質を取り除く技術開発や努力をするなら
ば、そこに使われる税金を無駄だと思う国民はいないのではないだろうか。
国民は真摯な努力を望んでいると思うのだが、この考えは間違っているの
かしら。
(運営委員 善財裕美)
----- 目 次 --- C o n t e n t s -------------------------------
巻頭言
<1> 「プラスチック資源循環促進法」が成立!
「減プラネット」成立に際してのNGO共同提言を発表
<2> 第六回「プラスチック削減」オンライン連続セミナーを開催します!!
<3> 【レポート】20ナノプラスチック粒子がラットの胎盤を通過
<4> NPO法人「埼玉エコ・リサイクル連絡会」上領園子 さんからの活動報告
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■<1> 「プラスチック資源循環促進法」が成立!
■ 「減プラネット」が、成立に際してのNGO共同提言を発表
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衆議院に続き、6月4日、参議院でプラスチック資源循環促進法が全会派一
致で可決、成立しました。
新法案の概要 ↓
【概要】 (env.go.jp)
成立に際し、「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」のメンバー
及び賛同24団体は、「対策の対象がプラスチック使用製品のライフサイクル
全体にまで拡大した点を評価する一方、今後政府として地球規模のプラス
チック汚染問題全体を包括した基本理念となるよう『プラスチック基本法』を
早急に制定し、その下で総量の大幅削減を前提に実効的な対策を導入す
ること」が、なおも必要であるとの共同提言を発表しました。↓
http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/210604teigen.pdf
(運営委員長 中井八千代)
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■<2> 第六回 「プラスチック削減」オンライン連続セミナーを開催します!!
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第五回 6/26 (土) 10:00〜11:30 井田徹治 共同通信社編集委員・論説委員
「プラスチック汚染:世界と日本の今」 まだ若干の余裕があります。 詳しく
は下記のちらしをご参照ください。↓
http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/20210626.pdf
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第六回連続セミナーは、環境省リサイクル推進室長の平尾禎秀さんをお招
きし、6月4日に成立した「プラスチック資源循環促進法」について、詳しい
説明と質疑に答えていただきます。
平尾室長は、2020年7月から現職。プラスチック資源循環法案、循環経済へ
の移行等を担当し、社会経済の在り方全体を持続可能なものに変えていけ
るよう尽力されています。これまで、広報室長、大臣秘書官(原田義昭大臣)、
欧州連合日本政府代表部一等書記官、リサイクル推進室長補佐等を歴任さ
れました。
<講演のトピックス>
1.プラスチック問題とは
2.プラスチック資源循環促進法とは
3.期待される変化と消費者の役割
第六回 7/13 (火) 19:30〜21:00
平尾禎秀さん(リサイクル推進室長・循環型社会推進室長兼務)
「プラスチック資源循環について」 詳しくは下記のちらしをご参照ください。↓
http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/210713.pdf
参加費無料
▼申込み件名:「第六回プラ削減オンラインセミナー7月13日視聴希望」とし、
氏名、所属、TELを明記の上、
▼ 申し込み先: reuse@citizens-i.org 迄
※申込後、入力いただいたメールアドレスに、お申込みを受け付けた旨と当
日2日前に参加URLをお送りします。
ぜひ多くの皆様のご参加をお待ちしております。
▼次回以降の講座予定
第七回 8/20 (金) 19:30〜21:00
古澤 康夫さん(東京都環境局資源循環推進部・専門課長)
「ゼロエミッション東京を目指す東京都の資源循環政策」
(運営委員長 中井八千代)
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■<3> <レポート> 20ナノプラスチック粒子がラットの胎盤を通過
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マイクロプラスチックによる汚染は、富士山頂から室内まで、地球のいたる
ところに広がっており、人々は食物や水を介してこの小さなマイクロプラスチ
ック粒子を食べ、それらを吸い込むことがすでに知られています。
人の胎盤にマイクロプラスチックが検出されたニュースがありましたが、実
験で20ナノプラスチック粒子がラットの胎盤を通過する結果が得られことが、
Sara B. Fournierさんたちの研究が論文で発表されました。
妊娠中のSprague Dawleyラットの肺に気管内注入した20ナノメートルの微
細なプラスチック粒子が、胎盤を通過し、胎児の心臓、脳、その他の臓器に
急速に到達することが研究で示されています。胎盤がそのような粒子をブ
ロックしないことを示すのは、生きた哺乳類での最初の研究です。
実験は、また、粒子にさらされたラットの胎児が妊娠の終わりに向かって大
幅に体重が減少することを示しました。
なお、ナノはマイクロの1/1000で、マイクロはミリの1/1000です。
(運営委員 小寺正明)
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■ <4>NPO法人 埼玉エコ・リサイクル連絡会
■ 理事上領園子さんから の活動報告
■ <3R政策地域研究会in埼玉>
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5月13日に当会の本年度の通常総会は終了しました。記念講演を埼玉県
環境部資源 循環推進課の江原宏和様より{「県のプラスチックゴミ対策に
ついて」副題「プラスチック資源循環利用トップランナー」に向けた新たなチ
ャレンジ}を講演して頂きました。
プラスチックに関する調査結果では河川のごみの8割がプラスチックごみ
で、河川10箇所の調査地点すべてでマイクロプラスチックを検出したとのこ
と、その対策として県と若者の企画でごみゼロウオークを行い、現状を知る
ことでプラごみ削減の普及・啓発活動ができたことやプラスチックの循環利
用について産官民が連帯して循環利用をいかに構築していくか等これから
を熱く語っていただきました。
もう一つ地域の報告として、地元のケーブルテレビで環境に関する問題を
伝えています。今年4月から毎日午後3時と9時15分からの2回15分ずつ放
映しています。そもそもの話は、昨年県内の小学校から出前授業の依頼が
ありました、教科書が新しくなっていますが買い求めていませんでしたので
SDGsがどのような扱いになっているか知りたくて教育委員会にあるのを貸
してもらえないかと町長に頼みました。
貸して頂けることになりまして対応を秘書課がして下さいました。秘書課の
課長と環境に関して色々話をしている内に「ケーブルテレビが時間潰しみた
いなの流しているぐらいなら私の話を流してくれるといいのに」と口を滑らし
てしまいました。後日課長から「ケーブルテレビに伝えてもよいか」の電話
がありまして当然「はい」です。
年度が新しくなった4月から始まりました。期限は私の話の種が切れるまで
ということになっています。市民感覚で分かりやすく身近な問題と感じて頂
けるように、とはいえデータに基づいた話と心がけています、難しくならな
いように気をつけながらやっています。ケーブルテレビの契約数は現在18
00件だそうです、できるだけ多くの人に関心を持ってもらえるとありがたい
と思っています。
------------- 事務局からのお知らせ------------------------------
● 会議開催日程
◎ 運営委員会 : 2021年7月6日(火)19:30〜21:30・ ZOOM会議
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。
ご不要の方はご連絡ください。
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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0082 東京都千代田区一番町9−7 一番町村上ビル6F
市民 運動全国センター内
TEL/03-3234-3844 FAX/03-3263-9463
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