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「メールニュース」 バックナンバー

第235号(2022年2月17日発行)

  

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   容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース

        第 235号   2021 年 2 月 17 日

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<プラスチック資源循環促進法の実効性ある運用を!>

 4月からプラスチック資源循環促進法が施行されます。
新法では、次の4つが柱となっています。
@製造事業者によるプラ使用製品の環境配慮設計の努力義務化
A小売・サービス事業者が提供する使い捨てプラ製品の削減の義務化
B自治体による製品プラの一括回収の努力義務化
C製造・販売事業者によるプラ使用製品の自主回収

 中でも重要な柱は@です。その仕組みは、国が製造事業者が取り組むべき環境配慮設計に関する指針を定めるとともに、指針に適合した設計の製品については設計認定をし、情報発信するというものです。また、製造事業者に環境配慮設計への取り組みを促すため、業界団体に製品分野ごとの環境配慮設計のガイドラインを自主的に策定してもらい、各事業者にはそれに即した取り組みをしてもらうことになります。
その際に、取り組み対象をどの範囲に設定するかによって取り組みの進展度合いが違ってくることから、国にはそれぞれの業界で取り組みが最も進んでいるトップランナーの取り組みを標準とするよう勧めてもらいたい。

 一方、環境配慮設計が進展するためには、認定製品を消費者に選択してもらうことが必要であり、認定製品であることが一目でわかる認定マークを製品に表示することが不可欠です。これは国にぜひ進めてもらいたい。
事業者による環境配慮設計の取り組みと消費者による環境配慮設計の選択は車の両輪です。

 なお、Bについては、一括回収を促進するためには、自治体に対する十分な財政負担軽減措置が必要です。また、Cについては、海への流出が止まらないペットボトルの回収の徹底は急務であり、国はその回収に最も有効なデポジット制度の導入に積極的に動いてほしい。

(運営委員 小野寺 勲)

----- 目 次 --- C o n t e n t s -------------------------------
巻頭言
<1> プラスチック使用製品廃棄物の分別収集の手引きが、発表されました
<2> 【レポート】野菜などのプラスチック包装が禁止に!
<3> 地域からの報告 水俣エコタウン 田中利和さんからの報告
(3R政策地域研究会in九州)

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■<1>  プラスチック使用製品廃棄物の分別収集の手引きが、発表されました

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この4月施行のプラスチック資源循環促進法に取り組む際に必要な、 プラスチック使用製品廃棄物の分別収集の手引きが、1月19日環境省リサイクル推進室より発表されました。
分別収集物に含めてはいけないものや、分別収集物に含めてよいもの、その他の要件 などの手引きが、詳しく列記されています。
この手引きを参考にして、市区町村は、分別の基準を定めることになります。
https://www.env.go.jp/press/files/jp/117358.pdf

また、プラスチック使用製品製造事業者等が講ずべき措置に関する指案を次のように定めるとして発表されています。
https://www.env.go.jp/press/files/jp/116918.pdf

 今後、さらに製造事業者等が努めるべき「環境配慮設計に関する指針」の具体策が策定され、指針に適合した製品であることを認定する仕組みが発表されることとなります。この、指針がリデュース・リユースにつながる実効ある内容になるかどうかが鍵となると思われ、その確認、検証が求められます。

 今後は、示された「分別収集の手引き」、「環境配慮設計指針」をガイドラインとして、分別収集を設計する自治体、製造事業者、再商品化事業者、消費者が力を合わせてすべてのプラスチックの資源化、発生抑制をめざすしくみをつくっていかなければなりません。プラごみゼロに向けての正念場となりそうです。
(運営委員長 中井八千代)

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■<2>【レポート】野菜などのプラスチック包装が禁止に! 

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フランスでは、今年の1月より、スーパーなどで販売される果物や野菜のプラスチック容器が禁止となりました。対象は、キュウリ、ピーマン、オレンジ、レモンなどの30品目。1.5kg以上の大きな果物や刻んだものは対象外で、プチトマトやブルーベリーなどの容器は今後の廃止予定であり、2026年までには、すべての果物と野菜のプラスチック包装が段階的に廃止となる予定のようです。
ほかにも、フランスでは、今年から、売れ残った衣料品を廃棄することが禁止される法律が施行されています。売れ残りは寄付やリサイクルが義務付けられます。また、使い捨てのペットボトル削減のためにも、公共スペースに給水機を設置することが義務づけられました。

 これらは、2020年2月に公布された、サーキュラーエコノミー促進のための法律に従うもので、大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会構造を是正するよう制定されています。2021年にストロー、使い捨てカトラリーなどの規制。2022年に1.5kg未満の野菜とプラスチック包装の禁止、2023年にはファーストフード店での使い捨て食器の禁止、・・・2040年には使い捨てプラスチック容器・包装の販売停止という計画に基づいています。

 日本でも4月からコンビニ、飲食店、ホテル、クリーニング店などに対し、プラスチック製カトラリー、ハブラシ、ハンガー等の使用削減が義務化されますが、その先のさらなる削減具体策を求めていきたいものです。

(運営委員 伊藤浩子)

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■<3>  水俣エコタウン 田中利和さんからの報告
■   <3R政策地域研究会in九州 >  
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 【学乳パックリサイクル】
2019年6月に国の食品衛生法が一部改正され、各乳業メーカーが引取ってリサイクルされていた学乳パックの大半が2020年4月から引取り拒否により、各自治体の焼却炉で燃やされている。結果として、その量は全国で1,000トン/年以上にも及んでいる。
ただ、先生や学校独自で環境教育の一環として、子供たちに(開いて・洗って・乾かして)リサイクルしていた学乳パックの古紙屋さんリサイクルルートの量が少なく扱いにくいため崩壊寸前だったが、九州では家庭紙メーカーの理解により一部がリサイクルされるようになった。ただし、家庭紙メーカーでは、できる限りリサイクル品(グリーン購入商品)を使っていただくことを提唱されている。このことも理解できますね。

このように、学乳パックのリサイクルルートが少し復活したことにより、熊本県では水俣市・天草市、福岡県では大木町・みやま市など「ゼロ・ウエイスト宣言」をされた自治体を中心に、 九州の限られたエリアではあるが循環の環が広がり始めている。

【洋酒飲料びんリユース】
九州内での酒類一大消費地(博多)の酒類販売等に携わるステイクホルダーが集まり連携し、使い捨てになっている洋酒廃びんを洗浄して、国産商品を開発してびん詰し、地元で販売消費する地産地消プロジェクトがスタートしている。

まだ詳細は明らかにはできないが、以前、熊本のワインのソムリエが輸入ワインの廃びんを洗浄して、球磨焼酎4銘柄を充填して海外で販売するバイヤーをされた歴史がある。このような発想が生まれる九州の人・土壌の将来が楽しみである。       

--------------------- 事務局からのお知らせ------------------------------
● 会議開催日程
◎ 運営委員会 : 2021年2月22日(火) 19:30〜21:30・ ZOOM会議
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。ご不要の方はご連絡ください。

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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
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