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■ 第239号(2022年6月15日発行)
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容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース
第 239号 2022 年 6 月 15 日
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今回のテーマは、いわゆる3Rのうちの「リユース」です。
100年以上の歴史がある「一升びん」(1.8?びん)は、日本固有の容器として長きにわたり「リユース」の優等生と称されてきました。先人の知恵で使い回してきた<びん容器とそのしくみ>は、SDGsターゲット(12.5廃棄物の発生を大幅に減らす)の目標達成に最適な手段です。
この1.8?びんは、「容器包装リサイクル法」(「容リ法」)第18条にある「自主回収認定」の容器で、回収率(おおむね90%)が義務化されています。市民や自治体負担のごみ処理とは違い、事業者自らが回収することで、「容リ法」の再商品化義務を果たす「委託料」が免除されています。ところが、2020年度の回収率が70.6%に低下したことで、回収率の回復が急務となっています。
回収率低下の原因は多々ありますが、過去の規制緩和政策が大きいと感じます。国税庁の調査は、酒類小売による売上高(2019年度)が高い順にホームセンター・ドラッグストア、量販店、百貨店、スーパー、業務用卸主体店、その他(農協・生協)、一般酒店、コンビニと報告しています。今や、空きびん回収の拠点は「酒店」から、スーパー等の店頭回収に変わりました。それでも、リターナブルびんの回収割合は90.2%あると言うのですが、地域のスーパーの「空きびん」回収ボックスには、ワンウェイびん容器やポイ捨ごみも多いことから、「リユース」システムの見直しが必要です。
「循環型社会形成推進基本法」は、「リデュース」「リユース」が「リサイクル」より優先順位が上と定めています。これを受けて、国はびん「リユース」の構築のため検討会を開催し、実証事業・モデル事業、ヒヤリング等を実施しています。この成果の普及でびん「リユース」の確立ができれば、OECD提唱の「拡大生産者責任」(廃棄物の処理の費用負担を地方自治体及び一般納税者から、製造業者、流通業者、販売業者及び消費者へ転換する。)の実現に繋がります。
びん「リユース」の維持向上に着手することは、資源の少ない日本の循環型社会に必要不可欠な課題です。
(政策委員 片山純子)
----- 目 次 --- C o n t e n t s -------------------------------
巻頭言
<1> 【レポート】新たなびんリユースモデル構築のための実証事業がスタートします!
<2> 地域からの報告「小山の環境を考える市民の会」楠通昭さんからの報告
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■<1>【レポート】
■ 新たなびんリユースモデル構築のための実証事業がスタートします!
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日本のガラスびんメーカーの業界団体である「日本ガラスびん協会」が、リターナブルびんに関係する「ガラスびん3R促進協議会」「東京壜容器協同組合」「びんリユース推進全国協議会」「富士ボトリング株式会社」と連携して、Eコマースと自治体回収システムを融合させた、新たなガラスびんリユースモデルを構築するための実証事業を4月15日より開始しました。
富士ボトリング鰍フ「リターナブルびん入りミネラルウォーター」を、Eコマースを通じて東京23区限定で販売し、自治体の資源回収を担う東京壜容器協同組合傘下のびん商が回収を行ない、リユースするというスキームとのことです。
http://glassbottle.org/glassbottlenews/3453
長い間、法制度の逆風や簡単・便利が優先される社会の中で、リターナブルびんは苦戦を強いられてきました。
が、今日、SDGsがクローズアップされるようになり、持続可能な社会への取組みが注目される中、リターナブルびんが再評価される機運が高まっています。リターナブルびんは100年以上の歴史を持つ日本独自のリユースの仕組みであり、一升びん、ビールびん、牛乳びんなどが繰り返し使われてきました。
今回の取組みは、『東京システム21』と連携し、 CO2削減、廃棄物削減、資源有効活用など、様々な効果を発揮する、リターナブルびんを復活させることにより社会貢献を目指す実証事業とのことです。
http://tobin-kumiai.com/3r/system21.html
今後が期待されますね。
(事務局 山本義美)
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■<2> 地域からの報告「小山の環境を考える市民の会」楠通昭さんからの報告
■ <3R政策地域研究会in栃木> (2021年5月から2022年5月迄)
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同じ広域組合の中で環境問題全体について活動している下野市の「環境問題を考える会」と小山市の「小山の環境を考える市民の会」の2団体が一緒に活動しています。
今年も昨年同様、コロナ感染対策の影響を受けながらも3R全国ネットニュース、オンラインセミナーや意見交換会などを活用して可能な限り下記の通り活動しました。
1.3R全国ネットが開催している「プラスチック削減オンラインセミナー」への参加
昨年5月の第4回から10月の第9回まで
2.3R全国ネット主催「3R政策オンライン意見交換会」の参加
昨年10月の第1回(下野1名)と今年2月の第2回(下野・小山各1名)
3.小山広域組合廃棄物減量化対策推進検討会に出席(下野・小山各1名)
昨年の6月の第1回,10月の第2回、今年1月の第3回
4.総会・環境講演会の開催
・5月春の環境講演会「小山広域・小山市のごみ処理の課題と対応」
・7月「第24回総会&DVD上映会「レジ袋禁止に取り組む亀岡市」
・12月秋の環境講演会「地球温暖化とカーボンニュートラルへの取組み」
5.プラスチック資源循環促進法への活動参加
@ 6月共同宣言の賛同団体に参加 A11月政省令パブコメに意見発信(下野)
6.情報交換会・懇談会の開催と環境学習会の講師担当
@ 10月浅野小山市長と「小山の環境を考える市民の会」有志と環境懇談会
A 3月下野・小山の両環境団体の情報交換会(小山広域ごみ減量化、他)8名参加
B 10月ボランティア団体(宇都宮市)向けのごみ問題学習会の講師担当(下野)
7.下野市消費者まつり&環境フェアに出展参加(ごみ分別クイズ、他)
なお、毎年団体参加しているイベント「下野市生涯学習情報センターまつり」「おやまーるまちなか交流まつり」はコロナ対策で2021年も中止になりました。
2025年4月から開始されたプラスチックごみの一括回収について、事務局から昨年8月時点でのニュースでは72自治体(1割未満)だけが取組みの意思を表明しただけとの大変心配な報告があったので、栃木県、小山広域の状況を調べたところ全く対応が遅れていることが判明しました。県は大まかなロードマップさえもなく各自治体に丸投げ、小山広域と各自治体の意見交換さえも始まっていませんでした。未だ担当者ベースでの検討段階です。
今後は関係する自治体への促進の働きかけとそのフォローが非常に重要だと感じました。
全く話が変わりますが、自然環境の生物多様性のニュースです。
4県4市2町にまたがる渡良瀬遊水地がラムサール条約湿地に登録されて今年7月で10年を迎えます。ここを中心にコウノトリが繁殖し6月7日に2羽の雛が巣立ちして3年連続の自然繁殖を達成しました。
野鳥の頂点にあるコウノトリの生存は,近隣住民の環境の安全性が向上したことを示します。この輪を関東平野全体に広げていきたいものです。イノシシや外来植物の増加などの問題もありますが,まずはめでたい嬉しい話です。
----------------- 事務局からのお知らせ------------------------------
● 会議開催日程
◎ 運営委員会 : 2022年6月17 日(金) 19:30〜21:30・ ZOOM会議
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。ご不要の方はご連絡ください。
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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0082 東京都千代田区一番町9−7 一番町村上ビル6F
市民 運動全国センター内
TEL/03-3234-3844 FAX/03-3263-9463
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