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■ 第244号(2022年11月17日発行)
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容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース
第 244号 2022 年 11 月 17 日
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いまこそ求められる、ほんとうの環境配慮設計
灰石とプラスチックを混合したLIMEX(ライメックス)を開発したTBMが、オルタナ(雑誌『オルタナ』発行)を相手取り名誉毀損で起こした 損害賠償訴訟について、2022年9月28日、東京地方裁判所はその訴えを棄却しました。 詳しくはこちらをご覧ください。 2022年4月に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(プラスチック資源循環法」)においては、“プラスチック使用製品 の製造事業者が環境配慮設計に取り組むべきこと”が明記されています。
構造としては、@減量化、A簡素化、B長寿命化、C易再使用化、D単一素材化、E分解・分別容易化、F収集・運搬容易化、G破砕・焼却容易化、 が例示されています。 材料としては、@素材代替、A易再利用化、B再生材使用、Cバイオプラスチック使用、が例示されています。 焼却の容易化が環境配慮?には異論があると思いますが、少なくとも“プラスチック以外の材質を混ぜる”とは例示されていません。 いまこそ求められるのは、ほんとうの環境配慮設計です。
マテリアルリサイクル(原材料としての再生利用)に不向きな複合素材を止め、単一素材化が進めば、光学式選別機により、ほとんどのプラスチック が原材料として再利用できるようになります。 機器によっては、劣化度合いを判断し、バージン原料等の補強度合を教えてくれるものもあるようです。 私たちも、環境配慮設計された商品を選び、真の循環型社会の構築に貢献してゆきたいものです。
(事務局 山本義美)
---- 目 次 --- C o n t e n t s -------------------------------
巻頭言
<1> 第十回〜第十三回プラスチック削減オンライン連続セミナーのまとめ <2>【レポート】 母乳からマイクロプラスチックが初めて検出される
<3> 地域からの報告 大阪Rびんプロジェクト代表 岡見厚志さんからの報告
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今年度開催のプラスチック削減オンライン連続セミナー(第10回〜13回)のまとめです。アンケート結果にもご注目ください。
・8月30日(火) 19:30〜21:00
第十回 山川肇さん(京都府立大学教授)
「『脱使い捨てプラスチックとEPR政策』 〜フランスの動向を中心として〜」
参加申込数 132名
第十回プラスチック削減連続セミナーのアンケート結果
・9月30日(金)12:00〜13:00
第十一回 エリック・カワバタさん(テラサイクルジャパン代表)
「捨てるという概念を捨てよう」
参加申込数94名
第十一回プラスチック削減連続セミナーのアンケート結果
・10月25日(水)19:30〜21:00
第十二回 水谷努さん(環境省リサイクル推進室長)
「プラスチック資源循環法の先駆的な自治体の取組等について 」
参加申込数 92名
第十二回プラスチック削減連続セミナーのアンケート結果
・11月8日(火) 19:30〜21:00
第十三回 吉川泰弘さん(経産省資源循環経済課総括補佐)
「産業界におけるプラスチック資源循環促進法の取組み」
参加申込数 81名
第十三回プラスチック削減連続セミナーのアンケート結果
ご協力、ありがとうございました。この連続セミナーは次年度にもつなげてゆきたいと思います。
(運営委員長 中井八千代)
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■<2>【レポート 】 母乳からマイクロプラスチックが初めて検出される ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
論文誌「Polymers」に掲載されたイタリアの科学者たちの研究を紹介します。
このパイロット的な単一センターでの観察型前向き研究では、34人の健康産婦から分娩後1週間に採取したヒト母乳試料をラマンマイクロスコープで分析し、34人の試料中26人の試料でマイクロプラスチック(MPと略す)汚染が初めて発見されました。
最も多く検出されたMPは、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンからなり、大きさは検出下限の2〜12μmでした。これらのプラスチックは生産量が多いものです。ほとんどが破片で、球状のものは10%と少なく、フィルムや繊維はありませんでした。青、オレンジ、赤、茶などの色が大部分に付いていました。
MPのデータは、特定の患者のデータ(年齢、プラスチック化合物を含むパーソナルケア製品の使用、プラスチック包装の魚/貝、飲料、食品の消費)との関連で統計的に分析されましたが、有意な関係は見つかりませんでした。 MPは、主に摂取、吸入、経皮接触によって人間の体内に入り込みます。MPは体内に取り込まれることによって引き起こされる潜在的な健康障害は、最も心配されるところです。しかし、このパイロット的研究では赤ちゃんへの影響は調べてはいないので、分かりません。
母乳育児のメリットは、栄養の供給と免疫系の強化により、乳児にとって最も標準的な栄養であるなどのため、母乳に汚染性MPが存在することによるデメリットよりもはるかに大きいので、母乳の授乳をやめることはしない方が良いと研究者は述べています。また、プラスチックボトルや調合乳を使用すると、赤ちゃんはより高いプラスチック含有量に触れる可能性があります。
プラスチックの摂取をできるだけ避ける方法としては、プラスチック容器、口紅などの化粧品などの使用をさけることが挙げられます。
(運営委員 小寺正明)
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■<3>地域からの報告 大阪Rびんプロジェクト代表 岡見厚志さんからの報告 ■ <3R政策地域研究会in大阪>
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最近、Rびんプロジェクトの定例会に大学生等の若手が顔を出してくださることが増えました。定例会では、リユースびんを広げるための企画の準備やリユースびんを取り巻く最新情報の共有をしているのですが、そういったことに興味を持つ若者が一定数いることに驚きと喜びを感じています。 若者にとっては新鮮でありおしゃれにも映るリユースびんをさらに広めるために活動を継続していますので、いくつか取り組みをご紹介します。
つなげようリユース瓶の輪企画、「100年畑・大阪のワインカタシモワイナリーをつぐ」を3月28日に開催しました。カタシモワイナリーでは、全国でも珍しくワインびんの一部リユースに取り組んでおられます。 新商品の「つむぐ」も、リユースびんに充填されたワインです。産福連携により様々な人や事業者の関わりを「つむいで」完成させた新しいスタイルのワイン「つむぐ」は容器を含めたその物語だけで感動し、飲みたくなります。
8月23日には、リユース瓶の輪企画として京都の(株)土と野菜が取り組むリユースびん入り日本酒需要開発プロジェクト「奏 -kanade」をご紹介。アッサンブラージュされた 日本酒と地域の魅力あるアテで感動体験を届けるお酒を提案し、新しい発想でお酒の価値を創造されようとしています。 第一弾は能登の松波酒造で「イカ」に合う酒をコンセプトに300mlの再使用びんで製造されました。今後、さまざまな地域とコンセプトで展開されるそうです。
リユースびんの輪企画以外にも、大阪府八尾市の廃校を活用し地域の生態系資源を発信している「八尾廃校SATODUKURI BASE」では、毎月リユースびん入り飲料を販売しています。 私たちにとっては当たり前にできる、栓抜きで栓を開けるということが、子どもたちや大学生はできない人がほとんど。もちろん、リユースびんも知らない人が圧倒的に多数です。
まだまだ広がってないなと残念な気持ちもある一方、これから初めて知り、共感してくれる人たちも同様に多いはずだと考え、びんに触れる機会をどんどん増やしていこうと思っています。 これからも大阪を中心に地道な活動を続けていきますので、応援の程よろしくお願い致します!
------------------- 事務局からのお知らせ------------------------------
● 会議開催日程
◎ 運営委員会 : 2022年12月13 日(火) 19:30〜21:00・ ZOOM会議
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。ご不要の方はご連絡ください。
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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0093 東京都千代田区平河町2-12-2 藤森ビル6B
市民 運動全国センター内
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