「メールニュース」 バックナンバー
■ 第256号(2023年11月9日発行)
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容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース
第 256号 2023 年 11 月 9 日
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< 〜紙パック容器リサイクルの危機〜プラスチック問題が紙パックリサイクルに影響?>
現在、牛乳パック等の紙製容器は、白いパルプ部分はトイレットペーパー等にリサイクルされ、容器メーカーは日本のリサイクル事情を踏まえ晒し(白紙)原紙を使っています。しかし今年4月、容器メーカーの日本テトラパック社は、市民団体や製紙メーカーに相談も無く北海道の乳業メーカーに『アルミ付き未ざらしパック』を供給したことから、問題が発覚しました。この『アルミ付き未ざらしパック』は製紙原料として使用できず、廃棄(ごみ)するしかありません。このままでは、日本の紙製容器リサイクルの崩壊とごみの増大につながります。
6月には、日本テトラパック社より『グローバルサプライチェーンの問題』により未ざらし原紙を使用せざる負えなく、2025年迄に晒パック(白い)に切り替えるよう努力する主旨の文書が届きました。グローバルサプライチェーン問題とは何かと尋ねると、昨今の海洋プラスチック問題で素材を「紙」へ切り替える動きが急激に進み、世界的に紙(晒し)が足りなくなったとの事です。プラスチック問題が、まさか紙製容器リサイクルに影響するとは驚きでしたが、真意を知りたいところです。
現在の使用済み飲料用紙容器のリサイクル率は29.5%と大変低く、再商品化義務の費用負担が有りません。未ざらしパックが増えると、リサイクル率は更に低下する懸念があります。 アルミ付きパックは、メーカーの再商品化義務負担(23円/s)が発生しますが、自治体のごみ処理負担も増加します。
容リ法から30年、拡大生産者責任・容器の環境設計など議論はしても、結果、メーカー任せで良いのかと疑問を感じています。
この件について、詳しく知りたい方は私までご連絡下さい。
(政策委員 石塚祐江)
---- 目 次 --- C o n t e n t s -------------------------------
巻頭言
<1>第17回・第18回プラスチック削減オンライン連続セミナーにご参加ください !
<2>【レポート】 プラスチック食品容器を電子レンジで加熱すると大量の
マイクロプラスチックが放出される
<3>地域からの報告 福岡県大木町「あーすくらぶ」会長・荒木フサエさんからの報告
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■<1> 第17回・第18回プラスチック削減連続セミナー にご参加ください!
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<第17回プラスチック削減連続セミナー>
11月は、農林水産省の方3人をお招きし、『農林水産省におけるプラスチック削減・資源循環の取組について』と題して、それぞれの専門分野の取り組みをしっかりご説明いただき、多くの質問にもお答えいただきます。
日時:2023年11月20日(月) 講演19:30〜21:00 (質疑含む)
演題:『農林水産省におけるプラスチック削減・資源循環の取組について』
講師:
大臣官房新事業・食品産業部外食・食文化課 課長補佐 川端 匡さん
農産局農産政策部農業環境対策課 課長補佐 木 葉子さん
水産庁増殖推進部漁場資源課 課長補佐 吉川 千景さん
詳しくは、こちらのちらしをご覧ください。↓
http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/17OLseminar.pdf
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<第18回プラスチック削減連続セミナー>
12月は、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議理事の水野玲子さんをお迎えし、『プラスチックから溶けだす有害物質』と題して、ファーストフードの容器包装からPFASが検出されたことなどを詳しく解説していただきます。
日時:2023年12月5日(火)19:30〜21:00(質疑含)
演題:プラスチックから溶けだす有害物質』 ―環境ホルモンの視点から―
講師:水野玲子さん(NPO 法人「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議」理事)
詳しくは、こちらのチラシをご覧ください↓
http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/18OLseminar.pdf
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▼参加費無料
▼申込み件名: 「第17回プラ削減連続セミナー視聴希望」又は「第18回プラ削減連続セミナー視聴希望」あるいは「第17回・第18回両セミナー希望」とし、氏名、所属、TELを明記の上、
▼ 申し込み先: reuse@citizens-i.org 迄
多くの皆様のご参加をお待ちしております。
(運営委員長 中井八千代)
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■ <2>【 レポート】プラスチック食品容器を電子レンジで加熱すると大量の
■ マイクロプラスチックが放出される
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アメリカのネブラスカ大学の研究者たちは、ポリプロピレン製のベビーフード容器 2 つとポリエチレン製の再利用可能なパウチ (どちらも米国食品医薬品局が承認したプラスチック) を使って、水性食品を模して脱イオン水、または乳製品、果物、野菜、その他の比較的酸性の食品をシミュレートすることを目的として3% 酢酸を満たして、電子レンジで3分間加熱しました。
わずか1平方センチメートルのプラスチック面積から422万個のマイクロプラスチック(1μm以上のプラスチック)と21億1000万個のナノプラスチック(1μmより小さいプラスチック)の粒子が放出されることが分かりました。1μmは1000分の1mmです。
また、冷蔵や室温で6ヶ月以上保管した場合も、数百万から数十億のマイクロプラスチックやナノプラスチックを放出する可能性があります。さらに、ポリエチレンベースの食品パウチは、ポリプロピレンベースのプラスチック容器よりも多くの粒子を放出しました。
研究者たちは、粒子の放出、体重、さまざまな飲食物の一人当たりの摂取量を考慮したモデルに基づいて、計算した結果、マイクロプラスチックとナノプラスチックの1日の推定摂取量が最も多かったのは、電子レンジで温めた水を飲む乳児で20.3ng/kg・日、電子レンジで温めた乳製品をポリプロピレン容器から摂取する幼児で22.1ng/kg・日であることが示唆され、電子レンジで加熱した水を飲む幼児と、電子レンジで加熱した乳製品を消費する幼児が相対的に最も高いプラスチック濃度を摂取していると推定しました。
その後、研究者たちは、胎児腎臓細胞を培養し、容器から放出された実際のプラスチック粒子に曝露させました。乳児や幼児が数日間または複数の発生源から蓄積する可能性のある粒子濃度に細胞をさらしました。細胞の生存率を評価するために行われたこの試験では、プラスチック容器から放出された抽出マイクロプラスチックとナノプラスチックは、1000μg/mLの濃度で48時間と72時間暴露した後、それぞれ76.70%と77.18%のヒト胚性腎臓細胞を死滅させることが示されたと報告しています。
(運営委員 小寺正明)
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■ <3> 地域からの報告
■ 福岡県大木町「あーすくらぶ」会長・荒木フサエさんからの報告
■ <3R政策地域研究会in九州>
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1998年発足の「あーすくらぶ」は、町長発案の生ごみ堆肥の管理・運営に始まり、省エネや環境問題への提言等を行なってきました。現在は、高齢化に伴い個人での活動が多くなりました。大木町の今を私の活動を交えてご報告いたします。
2000年当時、町はごみ処理施設(広域事務組合)の費用負担を重くみて、農業を軸とするまちづくりに方向転換しました。これが2006年稼働のバイオマス施設「くるるん」の誕生となり、2008年の「もったいない宣言」(「ゼロ・ウェイスト」)に繋がりました。
これまでの「焼却」「埋め立て」を見直し、生ごみ・浄化槽汚泥・し尿をエネルギーと有機肥料「液肥」として活用する仕組みです。人口約1万4千人の生ごみを微生物の力で「液肥」にして、町内の田畑の面積10分の1に活用します。つまり、焼却ごみの「生ごみ」を「資源」として田畑に還元すると処理費の約3千万円/年が節約となり、新たに33名の雇用拡大に繋がりました。
もう一つ町内には、廃プラスチックの処理施設「YKクリーン」が2018年に開業。近隣の7市町から搬入された廃プラを選別し、「油化」事業を行なっています。「もったいない宣言」以降、分別が19から29品目になりましたが、「埋め立て」ごみが大幅に減り年間3トンです。毎年、多くの視察者が「くるるん」に来られます。町ガイドも私の大事な役目となっています。
「もったいない宣言」から15年、次世代に繋ぐ環境教育が課題です。小学4年生の家庭ごみ調査では、「燃やすごみ」「廃プラスチック」の1ヶ月分を計量・記録した結果、「燃やすごみ」の全国平均410gに対し、大木町169g、4年生の家庭ごみ58gでした。意識することの大切さを学びます。
私は14年前から、町内5カ所の幼稚園・保育園児たちに燃やすごみ・資源物・紙・プラスチック類の分別を指導しています。新たに出前講師2名が仲間入り、「もったいない宣言」の基本理念<子どもたちにつけを残さないまちづくり>の一役を担っていきたいと思います。
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● 会議開催日程
◎ 運営委員会 : 2023年11月14日(火) 19:30〜21:00・ ZOOM会議
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。ご不要の方はご連絡ください。
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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0093 東京都千代田区平河町2-12-2 藤森ビル6B
市民運動全国センター内
TEL/03-3234-3844 FAX/03-3263-9463
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