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「メールニュース」 バックナンバー

第266号(2024年9月19日発行)

  

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   容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース

        第 266号   2024 年 9 月 19 日

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「廃棄物」に垣根は必要なのか?

 廃棄物は、家庭から出る「一般廃棄物」、事業所から出ると「事業系一般廃棄物」、また事業活動から出る特定20品目を「産業廃棄物」と、『廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)』に明記され、排出者によって処理方法が違っているのはご承知の通りです。
 でも、それってどうして、おかしくないですか?と発言すると、『法律を知らないのか?』と一括されて終わります。同じモノや同じ素材だったら、一緒に処理した方が効率良いと思うのは素人考えですが、『法律の垣根』はなかなか見直されません。

 そもそも『産業廃棄物』のなかには、私たちの暮らしに必要な製品を作って出たモノも有り、排出者の違いで分けて良いのかな?と疑問に思うのです。また、家じまいで解体した家屋の廃材やガレキなどは産業廃棄物になるので、解体を依頼した個人も産廃の当事者ではないか?

 平成9年にごみ処理の広域化計画が示されてから、我が北海道はごみを運搬するエネルギーの方が環境に負荷をかけているのでは? まして、雪国なので冬期間の収集・運搬は大変です。一方、北海道は『ゼロカーボン社会』を目標に掲げており、ごみ処理の広域化は時代にあっているのだろうか?と心配になります。
地域の中で効率の良い廃棄物処理は、環境や製品価格に良い影響をもたらし、結果、市民の生活が潤うのではないかと想像します。

 半世紀以上前(昭和45年)に作られた廃掃法、ごみ減量や資源リサイクルが進んでいる今、一気に緩めるのではなく、出来るところから一廃・産廃の垣根を外す、または柔軟に対応しては?と思うこの頃です。
(政策委員 石塚 祐江)

---- 目 次 --- C o n t e n t s -------------------------------

巻頭言
<1> 第23回プラスチック削減オンライン連続セミナーにぜひご参加ください!
<2> 【レポート】 マイクロプラスチックが人間の脳から検出される
<3> 地域からの報告  株)田中商店代表取締役 田中利和さんからの報告
<4> 【カンパのお願い】

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■  <1>第23回プラスチック削減オンライン連続セミナーにご参加ください!

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<第23回プラスチック削減オンライン連続セミナー>

 これまでリサイクル推進室で、サーキュラーエコノミーやプラスチック資源循環法の促進に取り組んでこられましたが、改めて、事業系も含めたプラスチック全体を担う新部署の室長として活躍中です。
 事業系はどこまで進められたのか?自治体の取り組みの進捗状況は?等、最新情報をお聞きします。
 まだ若干の余裕がありますので、ぜひご参加ください。

日時: 2024年10月15日(火)19:30〜21:00(質疑含)
演題: 『プラスチック資源循環政策の最新動向について』
講師: 井上 雄祐さん(環境省環境再生・資源循環局 容器包装・プラスチック資源循環室長)
詳しくは、下記のちらしをご覧ください↓
http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/seminar241015.pdf
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参加費無料
▼申込み件名: 「第23回プラ削減連続セミナー視聴希望」とし、氏名、所属、TELを明記の上、  
▼ 申し込み先: reuse@citizens-i.org 迄

多くの皆様のご参加をお待ちしております。
(運営委員長 中井八千代) 

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■  <2>【 レポート】 マイクロプラスチックが人間の脳から検出される

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マイクロプラスチックの人体内への侵入
 マイクロプラスチックは5mm以下のプラスチックであり、人間の血液、心臓、母乳、胎盤、子宮、精巣(睾丸)などから検出されており、健康への影響が懸念されています。

最新研究の概要と方法
 最近発表された、査読前の論文(プレプリント)において、ヒトの試料からマイクロプラスチックおよびナノプラスチック(MNP)を分離・定量し、腎臓、肝臓、脳(前頭皮質)におけるMNPの蓄積量を比較しました。

 本研究では、2016年と2024年に採取されたアメリカ・ニューメキシコ州アルバカーキの法医学機関から提供された遺体の解剖サンプルを使用し、12種類のポリマーを分析しました。分析には、熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析(Py-GC/MS)法が用いられました。

研究結果の詳細
 その結果、脳のサンプルは、肝臓や腎臓のサンプルに比べて、より高い濃度のMNPを示しました。また、すべての臓器において2016年から2024年にかけてMNPの蓄積量が有意に増加していることが確認されました。2024年の脳におけるMNP濃度は、2016年の約1.5倍に増加していました。

 ポリエチレンが最も多く検出されたポリマーであり、肝臓や腎臓に比べて脳のサンプルでのポリエチレンMNPの相対的な割合が高かったです。ポリスチレンはほとんど検出されませんでした。透過型電子顕微鏡によって単離された粒子のナノスケールの性質が確認され、それらの多くは古くなったプラスチックの破片のような残骸で、球状ではないことが明らかになりました。

結論と今後の対策
 この結果は、MNPがヒトの脳に選択的に蓄積され、時間とともにその濃度が増加していることを示唆しています。MNPと人間の健康への影響の因果関係はまだ明らかではありませんが、できるだけプラスチックへの依存を減らす生活が推奨されます。特に、ペットボトルやプラスチック製のカップ、弁当容器などは避け、また、プラスチック容器に入れた食品を電子レンジで加熱することも控えるようにしましょう。

(運営委員 小寺正明)

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■  <3> 地域からの報告 株)田中商店代表取締役 田中利和さんからの報告
■            <3R政策地域研究会in九州>   

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 現在、国が認定している主なリターナブルびんは3種類(一升びん、ビールびん、牛乳びん)ではあるが、ビールは缶容器に一升びんと牛乳は紙パック容器に市場を奪われ、飲料関係の容器はペットボトルが主流になってしまい、私たちは高度成長の恩恵で利便性を追求し、生活水準は向上したものの、ごみ問題を常に意識しながら世界の焼却炉の約70%を保有して生活する日本になってしまいました。この現代社会の在り方が地球温暖化を促進し、異常気象に伴う災害を全世界に引き起こし生態系を著しく壊してしまっています。

 私達びん業界の主力商品である一升びん(リターナブルびん)も、規制緩和の影響により家庭消費は他素材(紙パック)に浸食され、業務用は数年前からのコロナウィルス感染症拡大の影響で、回収率70%を下回る現状です。ただ、九州は他地域とは異なる一升びんのリターナブル独自市場(本格焼酎)を有していることから、商売として何とか成立しているのが現状です。

 この九州の本格焼酎(主に芋・麦・米・黒糖・泡盛)は、九州本土周辺の島嶼部や沖縄等離島にも点在し、独自の一升びんリターナブルシステムを構築して来た地域でもあります。

 ただ、各島内の焼酎蔵元では一升びん商品の出荷比率(ほぼ島外7割・島内3割)であることからリターナブルする条件のP函レンタルの仕組みが崩壊し、回収された一升びんが使い捨てびんになり、各蔵元が処理費(10円〜20円/本)を負担して処分している実態が各地で浮き彫りになっています。
過疎が進む九州の各島々では、島を維持するためには経済が成り立つことが一番目としても、漂着ごみの処理費を含めた焼却・埋め立てに係る「経費」負担が重いことなども知りました。

 世界でも類のないこの一升びんリユースシステムは、日本独自の歴史により築かれた仕組みでありルールだった訳です。この一升びんリユースの仕組みは、一度崩壊してしまえば市場原理では復活できない素材です。島内循環の仕組みを考えることが、リターナブルびん復活のカギと受け止め、知恵を絞り貢献してみたいと考えています。

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■  <4> カンパのお願い   

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 カンパのお願いです。

 これまで、カンパをお送りいただきました皆様、真にありがとうございます。

 3R全国ネットは、運営委員会(ズーム会議)を毎月開催し、メールニュースやホームページによる情報発信、プラスチック削減オンライン連続セミナーの開催、省庁との意見交換など、EPRの促進を目指して活動を行っております。

 これらの活動は、皆さまの賛同金によって支えられており、今後とも活動を継続していくには、皆さまのご支援が必要です。

 つきましては、個人1口1,000円以上、団体1口5,000円以上の賛同金をお願いできますと幸いです。

振込先:郵便局の場合: ゆうちょ銀行 口座番号00120-8- 429981、口座名 容器包装の3Rを進める全国ネットワークまで。
銀行の場合 : ゆうちょ銀行 記号00120-8 番号429981、店名019(ゼロイチキュウ)、預金種目:当座預金、口座番号0429981まで。

尚、お振込みいただきました方は、お手数ですが、メールをいただけますと幸いです。reuse@citizens-i.org
どうぞ宜しくお願いいたします。

------------------------------- 事務局からのお知らせ------------------------------

● 会議開催日程
◎ 運営委員会 : 2024年10月11 日(金)19:30〜21:00・ ZOOM会議
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。ご不要の方はご連絡ください。

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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0093 東京都千代田区平河町2-12-2 藤森ビル6B
市民運動全国センター内
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