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第269号(2024年12月20日発行)

  

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   容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース

        第 269号   2024 年 12 月 20 日

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 私が居住している区でも2024年10月からプラスチックの一括回収が始まった。まだ、一部地域での実施だが,2025年4月からは全域での実施となる予定だ。行政の説明では、事前に2年間のモデル事業が行われ、問題点などを洗い出しているそうだ。廃棄物収集日・分別品目の変更など、事前周知の説明会も町会の定例会をはじめ、何度も行われていた。満を持しての施策開始の感があったが、収集日にあまり排出されている気配がない。我が区は戸別収集を実施しているので、通りかかる周辺家屋の前に何もないとどうしているのだろうか?とちょっと不安を感じてしまう。実際隣の住人から「出していいんですよね」と聞かれたこともあった。最近、やっとそれぞれの玄関先に袋が置かれるようになってきた。制度を変えていくということは、どれだけ準備をしたとしてもそれなりに時間が掛かるということなのだと感じている。

 プラスチックの分別収集が実施されるからといっても、やはり、使用量の削減をはかることが大前提だ。毎年11月に実施している環境イベントではリユース食器を利用して模擬店を運営していたが,昨年からはキッチンカーに食の提供をお願いしている。当然,我々が所有しているリユース食器を使用してもらっているが、ドリンクに使用するカップの容量が少ないことが課題だった。昨年の反省を踏まえ、今年は山梨の「スペースふう」からカップをレンタルした。後日、レンタルカップ使用によるCO2削減量の書面が届いた。これはとても良い試みで、リユース食器利用促進の動機付けになると感じるので、我々も真似したいと思っている。

 我が区は、町会などの組織が住民のために実施するイベントでのごみ排出に関して、清掃事務所が「ボランティアごみ処理券」を発行しているが、10月以降の改変で、飲食に関してはリユース食器の使用を推奨するとの案内がされている。12月に入り餅つき大会が実施されているので、廃棄物削減の取組がなされることを願っている。

(運営委員 善財裕美)

------- 目 次 --- C o n t e n t s -------------------------------

巻頭言
<1> 【レポート】 人間の目に潜むマイクロプラスチック−硝子体液から衝撃の検出結果
<2> 地域からの報告  認定NPO法人スペースふう理事長 永井寛子さんからの報告

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■  <1>【 レポート】
■ 人間の目に潜むマイクロプラスチック−硝子体液から衝撃の検出結果

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1. マイクロプラスチックと健康への懸念
 マイクロプラスチック(MPs)は、5mm以下のプラスチック粒子であり、さまざまな人間の生体試料から検出されることで健康への懸念が高まっています。しかし、環境や人体におけるマイクロプラスチックの存在についての研究が進む一方で、人間の目という閉ざされた環境内での影響は、ほとんど明らかにされていません。

2. 研究概要:対象と方法
 2024年に発表された研究では、2つの医療施設において、4つの目の疾患(黄斑円孔、黄斑前膜、網膜症、裂孔原性網膜剥離)を持つ患者49名を対象に調査が行われました。

 採取した硝子体液サンプルを最適化した方法で処理した後、レーザーダイレクト赤外線(LD-IR)分光法および熱分解ガスクロマトグラフィー/質量分析法(Py-GC/MS)を用いて、硝子体内のマイクロプラスチックの特性を分析しました。

3. 硝子体液内のマイクロプラスチックの検出結果
 その結果、49人分の硝子体液(水晶体と網膜の間に存在する液体)サンプルの合計から8,543個の粒子がLD-IRで検出され、そのうち1,745個がプラスチック粒子であると判明しました。これらの粒子の多くは、50μm以下の微小サイズでした。

4. マイクロプラスチックの種類と健康指標との相関
 さらに、49の個別サンプルを用いたPy-GC/MS分析によって、この結果が裏付けられました。最も多く検出されたのはナイロン66で、次いでポリ塩化ビニル(PVC)やポリスチレンが確認されました。

 特に、マイクロプラスチックのレベルと眼圧や眼房水(角膜と水晶体の間に存在する液体)の濁りといった重要な眼の健康指標との間に相関が見られました。また、網膜症を患っている人は、マイクロプラスチックに関連した眼の健康リスクの高まりを示しました。

5. 別の研究
 別の研究では、コンタクトレンズが90日分の太陽光に相当する日数さらされると、排出されるマイクロプラスチックの量が徐々に増加することが観察されています。さらに、人口涙液や目薬からもマイクロプラスチックが検出されています。また、室内空気中に漂うマイクロプラスチックが目の表面に付着する可能性も指摘されています。

6.さらなる研究の必要性
 これらの発見は、マイクロプラスチックが目に与える新たな健康リスクを示唆しており、さらなる研究の必要性を強調しています。

(運営委員 小寺正明)

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■  <2> 地域からの報告
■  認定NPO法人スペースふう理事長 永井寛子さんからの報告
■         < 3R政策地域研究会 in 山梨>

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<プラスチックごみ削減を県民運動に>

 スペースふうが、リユース食器のレンタル事業を立ち上げたのは23年前、2002年の事でした。当時はただひたすら、「イベント会場のごみを減らしたい」「洗って繰り返し使えるリユース食器を広めたい」、という一念からの出発でした。しかし、プラスチックがもたらす環境への影響が深刻化していくなかで、スペースふうが担っているリユース食器の使用意義は、プラスチックごみ削減のための重要な役割を担っているのだ、との考えが膨らんでいきました。

 山梨県には海はありません。ある時、神奈川県江の島海岸でのごみ拾いのボランティア活動に参加した時の事です。リーダーの一人が大量に打ち上げられたごみを指さし私たちに向かって、「このごみの70%〜80%はあなた達の町から流れてきたものですよ」の一言に私は衝撃を受けました。確かに川上に住む私たちの責任は重いものがあります。プラスチックが川を下る間に細かく砕かれ、マイクロプラスチックとなって砂浜に打ち上げられます。こうした経験を踏むなかで、私たちは、新たな行動を起こしました。プラスチックごみ削減のためのもう一つの組織「山梨マイクロプラスチック削減プロジェクト」(通称Yama.P)を立ち上げたのです。「スペースふう」と「Yama.P」の活動は、山梨県や富士川町の環境審議会などのメンバーとして積極的に発言し、プラごみ削減のための「市民運動」としての担い手になっていくことを目指しています。

 「スペースふう」や「Yama.P」の活動は、小学生のリユース食器の洗浄施設見学や川ごみ拾いの体験、そしてアメリカ映画「マイクロプラスチックストーリー・僕らが作る2050年」の鑑賞会を通して子どもたちに学ぶ機会をつくっていくことを目指しています。山梨県には、市民活動として全国で初めて(2008年富山県と共に)レジ袋撤廃運動を成功させた経験があります。こうした活動が再び市民の中から生まれ、大きな広がりへと発展していくことを目指して一歩一歩確かな歩みを進めていきます。

-------------------------- 事務局からのお知らせ------------------------------

● 会議開催日程
◎ 運営委員会 : 2024年1月21日(火)19:30〜21:00・ ZOOM会議
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。ご不要の方はご連絡ください。

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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0093 東京都千代田区平河町2-12-2 藤森ビル6B
市民運動全国センター内
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