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■ 第272号(2025年3月13日発行)
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容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース
第 272号 2025 年 3 月 13 日
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3R全国ネットの前身、容器包装リサイクル法改正運動当時のメンバーであった後藤が、今回、巻頭言を担当させていただく。依頼されたテーマは改正運動の主要目標であった「拡大生産者責任(EPR)」とのことである。日本ではEPRという言葉自体が産業を悪者にするように響いたのか経済界から総スカンを食らってしまっている。しかし、発祥の地である欧州を中心にサーキュラー・エコノミー(CE)・環型経済として形をかえて産業政策、経済社会システムの中に組み込まれてきている。
そもそもEPRは産業界を悪者にするのではなかった。廃棄物処理費用は現代社会では本来は受益者負担で消費者を含む最終使用者が負担するのが当然とされていた中で、生産・流通・消費のどこで賦課するのが一番コスト的に合理的かという観点から提唱されたと理解している。
CEは色々な主張がなされており、例えば欧州の法律文言を提示するだけで字数をオーバーしてしまう。いずれにせよ概ね「廃棄物のない」経済社会システムを建前としており、「廃棄物ありき」の日本の循環型社会や3Rとは前提からして違っている。
CEは9R*という言葉もあるように、徹底的に「回す」ことにより廃棄物を出さないことが建前であり、当然3Rは全て入っている。「回す」ための費用は使用者・消費者を含む関係当事者の中でコスト負担されており、究極のEPRと言えなくもない。
CEを推進するには、中古品の品質保証・流通システム、修理体制、等々さまざまな越えるべき壁、更には製造時の原材料の品質基準という根本的課題もあり、簡単ではない。
先行する欧州も、建前は別として現実には廃棄物は発生するのでその最小化を各種の法律で推進しようとしている。説明は省くが、タクソノミー規制、エコデザイン規制、再生材使用の義務化、CE取組の情報開示義務化、etc. etc. である。
日本の場合は、廃掃法や各リサイクル法等により、1990年代末の廃棄物処分場不足問題は一応解決してきたといわれる。しかし、海洋プラスチック汚染などの様々な課題が発生してきており、現行の生産・流通・消費システムのままでは早晩たちいかなくなることは明白のように思われる。環境省の高度化法や、経産省の取組など動きがないわけではない。しかし、高度化法にしても動脈産業界・使用者のダイナミックな連携、そこに静脈産業界の知見や技術等々がかみ合わないと生きてこないようにも思われる。
3R全国ネットも、大変革時代という改めて腕の振るえる状況にあると思われ、ご活躍を祈念する次第である。
9R*:不使用(Refuse)、再考(Rethink)、削減(Reduce)、リユース(Reuse)、修理(Repair)、改修(Refurbish)、再製造・リマン(Remanufacturing)、再目的化(Repurpose)、リサイクル(Recycle)
(後藤敏彦・サステナビリティ日本フォーラム代表理事)
------- 目 次 --- C o n t e n t s -------------------------------
巻頭言
<1> 第24・25回プラスチック削減オンライン連続セミナーにご参加ください!
<2>【レポート】講演会「人工芝からもPFAS?!」
<3> 地域からの報告 埼玉エコ・リサ理事 大前万寿美さんからの報告
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■ <1>第24回・第25回
■ プラスチック削減オンライン連続セミナーにご参加ください!
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<第24回プラスチック削減オンライン連続セミナー>
今回お呼びする井田徹治さんは、現在共同通信社編集委員兼論説委員をされており、 環境と開発、エネルギーな どの問題を長く取材されてこられました。また昨年の国際プラスチック条約INC5の交渉等について、詳しくお話いただきます。
著書に『ウナギ 地球 環境を語る魚』(岩波新書)など。
日時: 2025年4月26日(土) 10:00〜11:30(質疑含)
演題『プラスチック汚染対策の今=世界と日本』
講師: 井田 徹治さん(共同通信社編集委員兼論説委員)
詳しくは、下記のちらしをご覧ください↓
http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/seminar250426.pdf
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参加費: 無料
▼お申込み方法:Eメールまたはpeatixでのお申込みをお願いします。
▼ 今年度からpeatixを利用します。
▼ 今後のセミナー開催継続のためのカンパも申込時に簡単にできます。是非ご利用ください。
https://3r250426.peatix.com/ より「チケットを申し込む」にて、お申込みください(初回のみ登録が必要ですが2回目以降は簡単になります)。
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▼ peatix利用が難しい方はEメールで
▼ 申込み件名:「第24回プラ削減連続セミナー視聴希望」とし、氏名、所属を明記の上、
▼ 申し込み先: reuse@citizens-i.org までお願いします。
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<第25回プラスチック削減オンライン連続セミナー>
これまで主にプラスチック削減についてのセミナーを開催してきましたが、今回は、
プラスチックの焼却が気候変動にも少なからず関わっていることから、気候変動の専門家である
江守正多先生をお招きします。分かり易く詳しくお話していただきます。
日時: 2025年5月22日(木)19:30〜21:00(質疑含)
演題: 『気候の危機にどう向き合うか』
講師: 江守 正多さん(東京大学未来ビジョン研究センター教授(兼:総合文化研究科))
詳しくは、下記のちらしをご覧ください↓
http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/seminar250522.pdf
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参加費: 無料
▼お申込み方法:Eメールまたはpeatixでのお申込みをお願いします
▼ 今年度からpeatixを利用します。
今後のセミナー開催継続のためのカンパも申込時に簡単にできます。是非ご利用ください。
https://3r250522.peatix.com/より「チケットを申し込む」にて、お申込みください(初回のみ登録が必要ですが2回目以降は簡単になります)。
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▼ peatix利用が難しい方はEメールで
▼ 申込み件名:「第25回プラ削減連続セミナー視聴希望」とし、氏名、所属を明記の上、
▼ 申し込み先: reuse@citizens-i.org までお願いします。
多くの皆様のご参加をお待ちしております。
(運営委員長 中井八千代)
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■ <2>【 レポート】講演会「人工芝からもPFAS?!」
■ <講師:栗岡理子さん>
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2025年2月16日、小平市美園地域センターで、栗岡理子さんの講演会「人工芝からもPFAS?!―ほんとうにいいの? 中央公園グラウンドの人工芝化―」を開催しました。
小平・環境の会は2022年に小平市長に「小川西グラウンドを人工芝化しないよう求める要望書」を提出しましたが、その後コロナ禍等で一旦中止に。ところが今度は中央公園グラウンドの改修計画の中で市は人工芝化を推進、さらには隣接の多目的エリアの人工芝化も事業者により提案されています。
環境の会として何度も担当課に人工芝の問題点を伝えてきましたが、サッカー協会等、利用者の要望が強いこともあり、止められない状況です。それでも市民に人工芝の問題点を知ってほしい、考えてほしいと企画したのがこの講演会でした。
3R全国ネットワークにご紹介いただいた栗原理子さんは、最新の研究データに基づき、詳しく、そしてわかりやすく人工芝の環境や健康への影響について話してくださいました。人工芝や充填材のゴムチップが流出し、マイクロプラスチックになっていく過程、その過程で有毒な化学物質を吸着し、人間の臓器、脳に蓄積して病気のリスクを高めていること、人工芝の新しい製品でも有害なPFASを含んでいる可能性があり、現在調査中であることなど伺いました。また、人工芝の流出対策として側溝にフィルターをつけたとしても、捕捉できる芝片は損耗量の5%未満に過ぎない、10年ほどで張り替える必要のある人工芝はリサイクルも焼却も難しい処理困難物として埋め立てるしかなく、よく劣化した状態で防草シート等として再利用されるが、まさにマイクロプラ発生源ではないか、というお話にも驚きました。最近子供の遊び場などに増えたゴムチップ舗装の有害性も指摘されていました。
小平市議会議員の水口かずえさんからは、グラウンドの人工芝化が進められた経緯、人工芝が天然芝より有利とした市のコスト比較に廃棄費用が入っていないなどの問題点について説明がありました。
講演会の前に、中央公園グラウンドを含む公園の整備・改修に関する説明会があったのですが、人工芝化に関する質問や反対意見が多く出されました。私たちは栗岡さんの講演会でさらに学びを深めた後、「中央公園グラウンドと多目的エリアの人工芝化に関する意見交換会を開催するよう求めます」という要望書を「中央公園の人工芝化に関心を寄せる小平市民有志」として小平市長に提出しました。せめて多目的エリアの人工芝化は阻止したいと願っています。
(小平・環境の会 深澤洋子)
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■ <3> 地域からの報告 埼玉エコ・リサ 理事 大前万寿美さんからの報告
■ < 3R政策地域研究会 in 埼玉>
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NPO法人埼玉エコ・リサイクル連絡会では、2025年2月20日、大宮ソニックで、『エコ・リサ交流集会2025』を開催し、3団体の発表の後、活発な意見交換を行いました。
◎『雑紙ポン』の普及活動で、ごみなってしまいがちな小さい紙もリサイクル!=NPO法人さやま環境市民ネットワーク
狭山市で再資源化されない家庭ごみの75%は燃やすごみで、そのほとんどが古紙や古布です。古紙の中でも包装紙、菓子折り、使用済み封筒、各種ロールペーパーの芯など再利用可能な「雑がみ」はリサイクルされることなく燃やされ、CO2排出の原因になります。
「雑がみ」を資源化することを目的に、家庭への浸透を狙って幼稚園・保育園の幼児向けに「雑がみポン」活動を展開しています。人形を使っての幼児向けの劇は、幼児が学んだことは家庭の父母や祖父母に伝わりやすく、行政的な情報伝達より効果があると感じているためです。
◎オーガニック給食とSDGs=NPO生活工房つばさ・游
今、給食に有機農産物を、という熱い流れが各地で起きています。給食の有機化は、ただ単にこどもの健康だけでなく、地域の環境、経済、人の繋がりなどに大きく影響します。
しかし、有機農家自体が地域にほとんど存在しない現状があります。有機農業をどう広げていくか?それには生産と販路の両輪が必要です。確かな販路として、公共調達としての学校給食に期待されることは大きいです。袋井市では手づくり給食を推進することで、地場産物の生産が増加。武蔵野市の給食食材認定基準は、作る側の都合に合わせた基準から、食べる側の安全を考えた選定基準に変わりました。
◎楽しくごみを減らそう=エコ・リサイクル連絡会
実家をたたむ時、母や祖母の着物の始末に困り、燃やすごみに出す方がいます。日本の文化は大切にしたいけれど、現代生活の中で、着物を着て過ごすことはなかなか困難です。そこで、マイクロプラスチック削減にもつながる着物のリメイクを提案しています。フリースなどの化学繊維衣料は、洗濯の際にマイクロプラスチックを排水と一緒に環境中に放出しています。食べ物だけでなく呼吸によってもマイクロプラスチックを体内に取り込んでいる問題が発生する今、天然繊維の着物を日常の衣類に加工することで、環境と健康を守ることができます。
キムラ繊維鰍フ浅草きらく屋では、マレーシアの若者がリメイクした帯バッグやクッションを販売しています。ぜひ立ち寄ってみてください。楽しいデザインがいっぱいです。
------------------------------- 事務局からのお知らせ------------------------------
● 会議開催日程
◎ 運営委員会 : 2025年3月20日(木)19:30〜21:00・ ZOOM会議
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。ご不要の方はご連絡ください。
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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0093 東京都千代田区平河町2-12-2 藤森ビル6B
市民運動全国センター内
TEL/03-3234-3844 FAX/03-3263-9463
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