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■ 第273号(2025年4月22日発行)
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容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース
第 273号 2025 年 4 月 22 日
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スーパーや一部のコンビニが行っている店頭回収の利用を増やすことは、自治体にとって、ごみ減量を進める上で重要な取り組みとなっています。
自治体での資源物の回収方式としては、週1回または2週に1回の収集が一般的ですが、自治体によっては、資源物収集をスリム化するため、品目ごとに「主に店頭回収」「月1回収集」「主に拠点収集」「主に集団回収」といった方式を取り入れています。これらの回収方式は、資源物収集のスリム化に有効なだけではなく、ごみ収集量が削減される店頭回収の利用促進効果も期待できます。
そこで、筆者は、店頭回収の利用促進策を検討する際の参考にしてもらうため、全国の人口10万人以上の全283自治体について、ホームページ等により、上記の4つの回収方式の実施状況を調べるとともに、その店頭回収利用促進効果を検証しました。
品目ごとに上記の回収方式の実施状況を調べた結果、実施事例は135自治体で405件あり、その中では「月1回収集」が254件(63%)と圧倒的に多いことが確認されました。
「月1回収集」にした場合は、次のよう効果が出ています。東京都日野市の事例では、ペットボトルの収集頻度を2週に1回から月1回に変更したことにより、ペットボトルの収集量が42%減と、劇的に減少しています。その反面、懸念された可燃・不燃ごみへの混入は特に増えておらず、収集量の減少分はほとんどが店頭回収へ流れていると推測されます。これは、月1回の収集ではごみがたまることから、買い物のついでに店頭回収へ持っていくためと考えられます。因みに、東京都八王子市では、新聞紙の収集頻度を2週に1回から月1回に変更したことで、新聞紙が新聞販売店回収へ流れ、収集量が32%減少しています。
一方、拠点収集の場合は、公共施設等へわざわざ持って行くのが面倒なことから、また、集団回収では、月1回の回収が多く、ごみがたまることから、店頭回収が利用されることが考えられます。
(運営委員 小野寺 勲)
------- 目 次 --- C o n t e n t s -------------------------------
巻頭言
<1> 第24回・第25回プラスチック削減
オンライン連続セミナーにご参加ください!
<2>【レポート】プラスチック食品容器から放出される
マイクロプラスチックの影響– 細胞へのダメージが明らかに
<3> 地域からの報告
特定非営利活動法人北のごみ総合研究所理事 石塚祐江さんからの報告
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■ <1>第24回・第25回プラスチック削減
■ オンライン連続セミナーにご参加ください!
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<第24回プラスチック削減オンライン連続セミナー>
まだ若干の余裕がありますので、是非ご参加ください。
今回お呼びする井田徹治さんは、現在共同通信社編集委員兼論説委員をされており、 環境と開発、エネルギーな どの問題を長く取材されてこられました。また昨年の国際プラスチック条約INC5の交渉等について、詳しくお話いただきます。
著書に『ウナギ 地球 環境を語る魚』(岩波新書) 、「生物多様性とは何か」(同)、「次 なるパンデミックを回避せよ」(岩波科学ライブラリー)など多数。
日時: 2025年4月26日(土) 10:00〜11:30(質疑含)
演題『プラスチック汚染対策の今=世界と日本』
講師: 井田 徹治さん(共同通信社編集委員兼論説委員)
詳しくは、下記のちらしをご覧ください↓
http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/seminar250426.pdf
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参加費: 無料
▼ 申込み件名:「第24回プラ削減連続セミナー視聴希望」とし、氏名、所属を明記の上、
▼ 申し込み先: reuse@citizens-i.org までお願いします。
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▼ 他には、今年度からpeatixも利用します。
▼ 今後のセミナー開催継続のためのカンパも申込時に簡単にできます。是非ご利用ください。
https://3r250426.peatix.com/ より「チケットを申し込む」にて、お申込みください(初回のみ登録が必要ですが2回目以降は簡単になります)。
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<第25回プラスチック削減オンライン連続セミナー>
まだ余裕がありますので、ぜひご参加ください。
これまで主にプラスチック削減についてのセミナーを開催してきましたが、今回は、プラスチックの焼却が気候変動にも少なからず関わっていることから、気候変動の専門家である江守正多先生をお招きします。分かり易く詳しくお話していただきます。
日時: 2025年5月22日(木)19:30〜21:00(質疑含)
演題: 『気候の危機にどう向き合うか』
講師: 江守 正多さん(東京大学未来ビジョン研究センター教授(兼:総合文化研究科))
詳しくは、下記のちらしをご覧ください↓
http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/seminar250522.pdf
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参加費: 無料
▼ 申込み件名:「第25回プラ削減連続セミナー視聴希望」とし、氏名、所属を明記の上、
▼ 申し込み先: reuse@citizens-i.org までお願いします。
▼ 他には今年度からpeatixも利用します。
今後のセミナー開催継続のためのカンパも申込時に簡単にできます。是非ご利用ください。
https://3r250522.peatix.com/より「チケットを申し込む」にて、お申込みください(初回のみ登録が必要ですが2回目以降は簡単になります)。
多くの皆様のご参加をお待ちしております。
(運営委員長 中井八千代)
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■ <2>【 レポート】 プラスチック食品容器から放出される
■ マイクロプラスチックの影響 – 細胞への ダメージが明らかに
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環境科学・工学分野で世界的にトップクラスの権威を持つ査読付き学術雑誌のジャーナル・オブ・ハザード・マテリアルズに掲載された、2025年2月に発表された最新の研究論文を紹介します。
研究のポイント
・食品容器からのマイクロプラスチック(MPs)の放出と潜在的細胞毒性を試験した。
・各ポリプロピレン(PP)およびポリスチレン(PS)食品容器は、10万〜26万個のプラスチック粒子を放出した。
・MPの細胞毒性は、用量依存的に細胞生存率の低下を示した。
・冷凍保存されたポリスチレン(PS)食品容器は、最も顕著な細胞反応を示した。
・食品包装におけるMPsに関連するリスクを軽減するための規制措置が必要である。
研究概要
○マイクロプラスチックは食品容器から放出されている
プラスチック製の食品容器は、食品の保存や包装に広く使われています。しかし、温度の変化によって、容器からマイクロプラスチック(MPs)が放出される可能性があり、その影響が懸念されています。本研究では、冷却・加熱した食品容器がどれほどMPsを放出するのか、またそれが細胞にどのような影響を与えるのかを調査しました。
○1つの容器から10万〜26万個のMPsを検出
調査の結果、1つの食品容器から約10万〜26万個のマイクロプラスチック粒子が放出されることが確認されました。これらの粒子の総重量は、容器ごとに0.1〜0.3mgでした。特に、冷凍保存されたポリスチレン(PS)容器は、より多くの小さなMPsを放出していることが明らかになりました。
○MPsは細胞の生存率を低下させる
MPsが細胞に与える影響を調べるため、ヒト腸管上皮細胞(Caco-2細胞)を用いた実験を行いました。その結果、**MPsの量が増えるほど、細胞の生存率が低下する(用量依存的)**ことが分かりました。特に、冷凍保存されたPS容器のMPsでは、細胞のダメージが顕著にみられました。
○細胞への影響 – 酸化ストレスと炎症反応の増加
さらに、ナイルレッド染色と共焦点顕微鏡を用いて、MPsが細胞に取り込まれる様子を可視化しました。その結果、細胞内のリソソーム(細胞の不要物を分解する器官)の数やサイズが変化し、活性酸素種(酸化ストレス)が増加することが確認されました。これは、MPsが細胞にストレスを与え、ダメージを引き起こしている可能性を示唆しています。
○食品容器の安全性を見直す必要がある
本研究は、食品容器から放出されるMPsが細胞に悪影響を及ぼす可能性を示す重要な知見を提供しています。今後、MPsのリスクを軽減するために、食品包装に関する規制の強化が求められます。
マイクロプラスチックのリスクを減らすためには、プラスチック製の食品容器に入った食品を避けることが大切です。
(運営委員 小寺正明)
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■ <3> 地域からの報告
■ 特定非営利活動法人 北のごみ総合研究所 理事
■ 石塚祐江さんからの報告
■ < 3R政策地域研究会 in 北海道>
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<製品プラスチックリサイクル>
当会では、1月10日(金)に札幌市循環型社会推進課の担当係長を講師に、新春勉強会「製品プラスチックリサイクルに向けた札幌市の取組について」を開催、会員以外の一般市民の参加が多く有り、たくさんの質問が出るなど関心の高さを感じました。
内容は、札幌市が令和5年度厚別区、令和6年度西区で行った製品プラスチックリサイクルのモデル事業をそれぞれ違う方法で行い、その分析結果と今後の方向性についてとても分かりやすくお話頂きました。
分析結果から、容器包装とは(素材や製品形態)大きく違いがあり、またリサイクルするための受入れ施設の課題など、1自治体で取り組むには容易ではない事が分かりました。ここでは書ききれないので割愛しますが、出口対策のリサイクルでは限界が有り、作る側のリサイクルし易い環境設計や、使う側の2Rなど入口対策の取り組みが重要だと痛感しました。
これまで、「なぜ製品プラスチックのリサイクルはしないのか?」と疑問に思い、幾度と声を上げてきましたが…そう簡単でない事がよく分かりました。正解はなかなか見つかりませんが、個人で出来るリユース・ロングユース・リペアを広める事が第一歩だと感じた勉強会でした。
札幌市の製品プラスチックリサイクルのモデル事業の結果は、次の札幌市ホームページに掲載されています。↓
https://www.city.sapporo.jp/seiso/gomi/recycle/documents/plastic.html
------------------------------- 事務局からのお知らせ------------------------------
● 会議開催日程
◎ 運営委員会 : 2025年4月22日(火)19:30〜21:00・ ZOOM会議
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。ご不要の方はご連絡ください。
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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0093 東京都千代田区平河町2-12-2 藤森ビル6B
市民運動全国センター内
TEL/03-3234-3844 FAX/03-3263-9463
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