プラスチックのリサイクル費用は?
■ 杉並区のプラスチックのリサイクルにかかる費用を調査しました。
杉並区は2年ほどまえから、プラスチックのリサイクル収集が全域で始まりました。すべての容器包装プラスチックを対象として毎週1回びん・缶のリサイクルと一緒に収集場所に出します。
2008年度の収集量は、4,819トン。収集に4億3000万円かか
りました。収集したプラスチックは、選別梱包するため、2か所の委託業者に運ばれます。1か所は、板橋区にある新日鉄の工場。もう1か所は足立区にある大谷清運。選別の結果、1割の残渣(ごみ)が出ます。この選別梱包にかかる費用が、3億1700万円。
選別梱包された、プラスチックは、容器包装リサイクル協会へ引き渡され、「商品化」されます。協会といっても実際は競争入札で落札した業者に引き取られます。2009年度は、2か所で、一つは千葉県君津の新日鉄工場。、コークス炉でコークスの原料に。もう一つは、川崎市の昭和電工でガス化し、アンモニアなどの材料になります。
リサイクルの費用負担は、収集でキロ当たり89円、選別梱包で66円、ここまでが税金負担でキロ当たり155円。そして協会での商品化費用は、キロあたり63円。これは事業者から徴収した費用ですから、最終的に商品価格に含まれます。すると(税金で負担):(商品価格で負担)は、7:3です。税金負担の割合が高いことが分かります。
税金負担の弊害として指摘されていることは、まず、たくさんごみ(リサイクル)を出している人も少ない人も、税金で負担しているため、ごみ量に連動しないので、ごみを減らそうという動機づけにならない。もう一つは、事業者も負担が少ないので、ごみが出ない商品開発に頑張らない、ということです。二つ目のことが、最も大切なことです。
言葉の説明は省きますが、費用を税金で負担しないで商品価格で負担する仕組みが、拡大生産者責任です。住民の負担が公平になり、事業者は、さらにごみ減量に頑張ろう!という動機つけになります。
皆さんのお住まいの市町村は、いかがでしょうか?調べて、是非レポートしてください。みんなで情報を共有しましょう。
※なお杉並区の費用などについては杉並区からの聞き取り、容リ協会の費用については協会のホームページから引用しました。)
(2009年8月10日)