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3/23中環審に、羽賀さんが出席

6項目の全国ネットワークの意見を述べました。

中央環境審議会3R小委員会 3月23日午前10時から開催された中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会の「容器包装の3R推進に関する小委員会」に3R全国ネットの羽賀育子運営副委員長が、初めて出席しました。羽賀さんの応援も含め、みんなで傍聴しました。 羽賀さんは、はじめてにもかかわらず落ち着いて、市民(消費者)の立場から全国ネットの考え方や意見、質問を述べました。少々贔屓目からもしれませんが、一歩も二歩も踏み込んだ質問や意見だったと思います。 委員会での詳しい発言内容は以下の通りです。(写真・右端の白い服が羽賀さんです)

羽賀副運営委員長の発言

【1】リサイクルの高度化には、事業者の更なる努力こそ必要です。

 プラスチックリサイクルの高度化について、市民の分別や自治体の収集のみに課題があるとするような論議の進められ方には問題があります。ベール品質が悪いのは、市町村や住民の努力が足りないからだとしているように感じられますが、事業者の努力こそ問われるべきではないでしょうか。 リサイクルに適さない複合素材などにも「プラマーク」が付いていたり、同じ材質のものが「決まりごと」によって分別の対象になったりならなかったり、消費者の努力を削ぐようなしくみの中で、リサイクルの高度化を求められても無理な要請です。 むしろ、リサイクルするものについては、「マーク」を統一して一目で分かりやすく表示したり、汚れが簡単に落ちるような容器包装を開発したりするなど、事業者の開発努力こそ問われるべきです。 始めから後のことまで考えて製造すべきであり、出てきたものへの対応では遅いのです。

【2】レジ袋の無料配布は全廃するような制度を設けるべきです。

  この間のレジ袋削減運動は「呼びかけ」としては評価できますが、実際の削減率には疑問があります。削減の実績を確実にするため、「レジ袋の無償配布を禁止」すべきです。

【3】公共施設では、使い捨て容器の不使用を義務付けるべきです。

 多くの公的会議の場で、PETボトル入飲料がテレビに写し出されるのは恥ずかしく思います。諸外国では、「PETボトル入の水を販売禁止」とする自治体が急増しています。我が国でも、公共施設でこそ率先垂範するべきです。

【4】マイカップ・マイボトル等は、公共施設での優先的な使用を義務付けるべきです。

 マイカップやマイボトルの推進を行うにあたっては、公共スペースでの給水スポットを確保するようにすべきです。

【5】事業者が、真剣にリデュース・リユースに取組むような仕組みを設けて下さい。

 容器包装リサイクル8団体の取り組みは、一定の評価はできます。 しかし、取り組みが進んでいるのは「リサイクル」についてのみです。 「過剰包装の廃止」や「使い捨て容器の削減」、さらには「リユースによる発生抑制」の効果は極めて弱いといわざるをえません。 ぜひ、事業者が真剣にリデュース・リユースに取組むような仕組みを設けて下さい。

【6】事業者が登場させた容器を使い終わった後の処理責任をもっと強めてください。

 これまでの制度では、容器包装を使用した事業者が、使い終わった後の処理責任をきちんと負わないので、未だに「塩化ビニール製」の容器包装がなくなっておらず、リサイクルの弊害となっています。 古くは、「緑色PETボトル」がありました。消費者がどれだけお願いしても、なかなか改善してもらえませんでした。アルミ・紙・プラスチックでつくられた容器包装というのもありました。リサイクルに向かないといわれた、「耐熱性ペットボトル」はどうなったのでしょうか。「超軽量PETボトル」のリサイクルは、うまくいっているのでしょうか? そして、今日では、リサイクルに適さない「マルチパック」や、「鉛入レジ袋」まで登場してしまいました。どれもこれも、事業者が使い終わった後の処理責任を負っていない、ごく一部の再商品化費用しか負担していないので、容器包装を設計する時に環境配慮義務が働かないからなのです。 この問題を解決するためにも、事業者が使い終わった後の処理責任をきちんと負うような制度を設計して下さい。

(2010年3月25日)