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環境省は、方針をきちんと示すべきと、意見書を提出

「プラスチックごみは、もっと燃やせ」(田中部会長発言)に市民からは怒りの声

 7月24日 朝日新聞記事での「プラスチックごみは、もっと燃やせ」の田中勝(中央環境審議会・廃棄物リサイクル部会長)さんの発言について、市民から怒りの声が寄せられています。3R全国ネットでは、8月2日環境省廃棄物・リサイクル対策部リサイクル推進室長宛てに、以下の意見書を提出しました。(2010年8月5日掲載)

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 環境省 廃棄物・リサイクル対策部リサイクル推進室長殿

平成22年8月2日
中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会 容器包装の3R推進に関する小委員会 委員
容器包装の3Rを進める全国ネットワーク副運営委員長 
羽賀育子

7月24日(土)朝日新聞記事「プラスチックごみは、もっと燃やせ」について

拝啓
盛夏の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。日頃は大変お世話になっております。
私は、中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会「容器包装の3R推進に関する小委員会」の委員を努めさせていただいています。委員会の委員として、また全国のごみ問題に取組んでいる市民団体のネットワークの一員として意見を申し上げます。

標記の記事について、市民の間に誤解と混乱が広がっています。「国は、環境省は、プラスチックのリサイクルを止めて、燃やす方向にするのですか? 一生懸命努力してリサイクルして出すことが、よくないことなのですか?」といった声が、私どもの集会や会合など、さまざまなところから寄せられます。

発言の自由はもちろん誰にとっても保障されていますが、中央環境審議会の廃棄物・リサイクル部会長が、このような主要新聞紙面で大きく発言されているのですから、市民の間に誤解と混乱が起きるのも当然です。まして、審議会ではリサイクル手法を巡って真剣な議論がされている最中に、リサイクル不用という主旨の発言であり、審議会の議論をないがしろにするものです。しかも、それが、審議会の責任者の発言とは、読むに耐えない記事でした。

審議会の委員として、こうしたご意見をお持ちの部会長の下にある中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会のあり方にも疑問を抱きます。審議会において、部会長から、新聞発言の内容について説明いただきたいと思います。

また、環境省の方針については、きちんと発表し、市民に広がる誤解と不信を取り除く必要があります。さらに、部会長として適任なのかについても、委員の皆様、各界の皆様にも広くご意見を伺う必要があると存じますので、ご検討いただきますよう、お願いいたします。また検討結果を、文書にてご回答いただきますよう、お願いいたします。

敬具

2010年7月24日朝日新聞記事

(2010年8月5日)