パブコメを提出しました!
■環境省の「プラスチック製容器包装の再商品化手法及び入札制度の在り 方に係る取りまとめ(案)」について意見を出しました。(2010年9月5日)
【宛先】環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課リサイクル推進室
【氏名】容器包装の3Rを進める全国ネットワーク 運営委員長 須田晴海
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【意見内容】
【1】40頁下から3行目「6.(1)B材料リサイクル手法の優先的取扱いの在り方」
【意見】
- リサイクル手法の優先順位を決定するにあたっては、単にマテリアルかケミカルかという二者択一ではなく、「どのような回収方法とリサイクル手法を選択すれば今日の優先課題を解決できるのか」という観点から総合的に判断することを明記すべきである。
【理由】
- その他プラの分別収集を開始した2000年は材料リサイクルの落札量は20.3%であったため、「材料リサイクルを優先すべき」とのルールは、当時、振興しつつあった中小規模の再商品化事業者の支援やリサイクルへの市民の参画意欲を促す等、一定の役割を果たしたと考えられる。
- 2010年では落札率が52.3を占めるに至っており、当面は、現状の優先枠(50%)程度に留めることが望ましい。
- 次期の容リ法見直しにあたっては、今日、最も優先すべき「地球の温暖化を防止しつつ同時にピークオイル対策も実施する」という課題からすれば、単にマテリアルかケミカルかという二者択一ではなく、「どのような回収方法とリサイクル手法を選択すれば今日の優先課題を解決できるのか」という観点から評価されるべきであり、生産方法の転換を含めたシステム全体の効率向上と共に総合的に判断することを明記すべきである。
【2】43頁上から18行目「6.(2)Ae」関係者間の対話を通じた環境配慮設計・見える化の推進」
【意見】
- 容リ協会が設ける対話の場には、幅広い市民層が参加するようにすべきである。
【理由】
- この間の審議会などでは、関連する事業者から選出された委員が多く、市民の立場からの委員が少なかったため、議論の方向について市民の意見が反映されなかったという問題があった。
- 容リ協会は事業者団体で構成されているため、市民の声がこれまで以上に届きにくくなることが懸念される。
【3】44頁上から5行目「6.(2)Ah」市町村による再商品化手法の選択」
【意見】
- 現行容器包装リサイクル法のシステムのままでの市町村による再商品化手法の選択制度の導入はすべきでない。
【理由】
- 市町村サイドから再商品化手法を選択できるようにとの意見の背景には、市民の手間(分別排出に求められる負担)及び分別収集・選別に係る市町村の財政的負担の軽減、とりわけその後者がある。
- 容器包装リサイクル法における容器包装廃棄物の発生抑制を欠いた現行制度をそのままにしてのリサイクルの効率化、とりわけ費用の縮小を目的にした「市町村による分別収集・選別費用の軽減に繋がる再商品化手法の選択制度」を導入すれば、リサイクルにおける経済的費用の最小化(効率性)の側面からだけの判断でリサイクルのシステムが規定されてしまうことになり、国内材料リサイクル事業の崩壊を招きかねない。
- 再商品化費用の商品価格への内部化を前提とした特定事業者、市民(消費者)、市町村の役割分担の見直しの中で、この市町村による再商品化手法選択制度のあり方を検討すべきである。
【4】44頁下から1行目「6.(2)Bk」システム全体の効率性の向上
【意見】
- 市区町村の枠組みを超えた効率的な収集や、収集から再商品化まで一貫した実施、あるいは事業者のソーティングセンターの拡充による自治体の選別省略等々によりどこまで効率化できるのか、容リ法の次期見直しに向けて調査検討を進めるべきである。
【理由】
- 効率的な収集を行うためには、人口規模であれば30万人程度の一定規模が必要とされている。
- 収集から再商品化まで一貫することで、選別の二度手間を省略することができ、かつ集める段階から再商品化に相応しい集め方を実施化することができる。
- あるいは、事業者がソーティングセンターを拡充して、現在の自治体選別+事業者選別という二度手間を省略して効率化を進めることも検討すべきである。
【5】44頁下から1行目「6.(2)Bl」RPF等の燃料利用の実態把握」
【意見】
- RPFについては、マテリアルやケミカルのリサイクルで対応できる中で、安易に導入すべきでないことは論を待たないが、実態把握にあたっても、エネルギーリカバリー率や環境負荷影響などについて厳格に調査するべきである。
【理由】
- マテリアルやケミカルのリサイクルで対応できる中で、循環型社会形成推進基本法の優先順位に反するRPFを導入すべきでないことは論を待たないが、とりわけ「石油からつくったプラスチックをエネルギーをかけてRPFとして大量生産し、石炭の代わりに大量消費する」というのは、来るべきピークオイル問題からすれば、愚かな選択肢と言わざるを得ない。
- また、EUでは、ごみとの混焼はエネルギーリカバリーとしては認められず、専用の廃棄物焼却施設でもエネルギー回収率は40%以上が求められていることに留意すべきである。
- なお、一部の識者には「容リプラを分別リサイクルせず、可燃ごみと混焼すべき」との異論もあるが、こうした意見に対しては、「ごみ焼却場から排出されるCO2排出量を削減することは自治体の責務である」と言わざるを得ない。
(2010年9月5日)