<注目>第四次環境基本計画(案)にパブコメ提出
■ 2Rを重視、水平リサイクル優先、リユースのビジネスの環境整備で拡大を、など意欲的な内容。さっそくパブコメ意見を提出しました。
2012年3月2日、環境省は第4次環境基本計画(案)を発表しました。これは中央環境審議会総合政策部会がまとめたものですが、この内容が、とても意欲的ですばらしい。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14910
2Rを重視し、拡大生産者責任の徹底、リユースのビジネスの環境を整備して絶滅の危惧にあるリユースを復活。リサイクルでは水平リサイクルの考えを打ち出し、質の高いリサイクルをめざそうというもの。以下、一部抜粋すると(86ページ、87ページより)
- 拡大生産者責任(製品の製造者などが物理的または財政的に製品の使用後の段階で 一定の責任を果たすという考え方)の徹底
- 水平リサイクルのような高度なリサイクルを定着
- 2Rを重視したライフスタイルの変革
- リサイクルより優先順位の高い2R(リデュース(発生抑制)・リユース(再使 用))の取組がより進む社会システムの構築を目指す
- リユース品が広く活用されるとともに、リユースに係るビジネスの市場につながるような環境を整備する。
- 容器包装の軽量化、リターナブル容器の利用、長期間使用することのできる製品の 開発等の川上の事業者の積極的取組が必要となる。
●全文は、以下の環境省のHPよりご覧ください。
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=19354&hou_id=14910
3R全国ネットワークでは、さっそく、3月21日に以下のパブコメ意見を提出しました。
<1> 第四次環境基本計画(案)の以下の点(87ページ)について、具体的な方向性が出されていて、2Rを優先した循環社会構築実現に向け、大きく前進が期待できる内容と評価いたします。
- 排出者責任・拡大生産者責任の徹底や製品製造段階からの環境配慮設計の更なる推進を図る。
- リサイクルの質を向上させ、使用済製品を原料として用いて同一種類の製品を製造する水平リサイクルのような高度なリサイクルを定着させる
- 2Rを重視したライフスタイルの変革
<2>今後具体的に取り組むとしている、以下の点(87ページ)については、是非、実効性の上がる対策が打ち出されることを期待します。
- リユース品が広く活用されるとともに、リユースに係るビジネスの市場につながるような環境を整備する。
- 2Rの取組を制度的に位置付けることを検討する。
- 容器包装の軽量化、リターナブル容器の利用、長期間使用することのできる製品の開発等の川上の事業者の積極的取組み。
<3>以下の点を、「循環型社会の構築のための取り組み」に追加していただくよう検討をお願いします。
- 分別収集から事業者が責任をもって実施することが、リサイクル・システムを合理化し環境負荷と社会的総コスト軽減を図り、3Rの優先順位に則った循環社会構築への近道であるので、その道筋を示すこと。
- 複合材料などリサイクルの質が低くなる素材、塩ビや紙製容器の禁忌品などリサイクル困難な素材について、リサイクル負担額を強くして、発生抑制を行うこと。
- 「リユース」に取り組む事業者は、現在、存続困難な状況に追い込まれている。一度失ったインフラの再建は大変困難であるので、リユースシステムの再構築と、リユース事業者への支援は喫緊の課題であり、直接的な支援が必要であること。
- レジ袋有料化が進まない大都市圏やコンビニなどでの有料化を促進するため、法律でレジ袋有料化を義務付けること。(地域自主協定が広がっているように、独禁法違反という問題はすでにクリアされています。)
- 一回使用用品について経済的な措置により使用を抑制する方向を打ち出すこと。
最後に、2Rを優先した循環社会構築実現に向け、大きく前進が期待でき、日々、発生抑制やリサイクルの分別排出に務めている市民の努力が報われる方向を打ち出され、基本計画(案)の取りまとめをいただいた、中央環境審議会総合政策部会の委員の皆様のご努力に、敬意を表します。
●パブコメの文書PDFは、こちらからダウンロードください。
(2012年3月27日)