3R全国ネットのパブコメ
「容器包装リサイクル制度に関する意見募集」は、8月31日が締め切りでしたが、
3R全国ネットは、市民案に沿って11個の意見を提出しました。
■意見(1)
【意見の概要】
『拡大生産者責任(EPR)の完全実施を』
回収を含めて、容器包装の再商品化については、特定事業者の責任とします。特定事業者は自ら回収できない場合に、市町村の分別収集に委ね、その費用を標準費用に基づき、市町村に支払い、その責任を果たす。
【意見の内容】
容器包装の薄肉化、無包装販売の拡大、詰め替え製品の拡大など2Rを拡大させるには、特定事業者の3Rの責任の明確化が必要です。また、特定事業者は、そのための設備を作ることなど一定の投資も必要です。しかし、リサイクルが税金でまかなわれている現状では、その投資効果は限定的です。
現状は8割以上が税金負担、2割弱が特定事業者負担ですが、これを止めて税金負担がゼロ、特定事業者負担が 10割し、リサイクル費用を製品価格に内部化することで、発生抑制の投資効果が高まり、「環境と経済の好循環」が生まれます。
特定事業者の責任と役割を、分別収集・選別から再商品化までのすべてのプロセスにおいて特定事業者が責任をもつものとし、その下で回収については市町村、特定事業者、販売事業者、消費者がそれぞれの立場に応じた役割を担います。
■意見(2)
【意見の概要】
『市町村への支払いは「標準費用」で』
特定事業者は分別収集から担いますが、収集選別を市町村に委託する場合は、
標準費用で、委託費用を支払います。標準費用は、国の責任で算出します。
【意見の内容】
@標準単価の算出に当たっては、効率的な分別収集に実績のある市町村をモデル
自治体に指定して、そこの市町村の廃棄物会計を参考にして国が算出決定します。
A標準費用の算出に当たっては、個々の市町村の人口密度や気候などの地理的条
件の違いによる地域特性から生じる費用増加分を考慮します。
B各市町村において分別収集に実際に係る費用が標準費用を超える場合は、その
差額はそれぞれの市町村の負担とします。
■意見(3)
【意見の概要】
『プラスチックの二重選別を解消し、合理化・高精度化する』
分別収集後の一次選別と再商品化事業での二次選別を一緒に行う工夫や、素材別選
別を高精度に行うことで、リサイクルの合理化と質の向上に努める必要があります。
【意見の内容】
現状は、市町村の一次選別で、容器包装以外と、汚れたプラスチックを取り除き、
圧縮梱包し再商品化事業者に引き渡され、再商品化事業者は、圧縮梱包をほぐし、
二次選別するという工程になっています。こうした二重選別がダブルコストになっ
ています。ドイツでは、光学式の機械で自動選別する大規模な選別工場(ソーティ
ングセンター)が170 か所にあり、そこでの一回の選別で済ませることで費用が抑えられ、また細かく選別できることで高品質なリサイクル製品に活用できています。
■意見(4)
【意見の概要】
『レジ袋の無料配布を禁止する』
小売業者に対するレジ袋の無料配布の禁止(法律等による有料化の義務付け)
【意見の内容】
@ レジ袋の削減は、有料化することで8割以上の削減を達成していますが、キャッシュバックなどの手法では最大でも 5 割削減にとどまっています。
A レジ袋有料化が進まない大都市圏等の地域やコンビニなどでの有料化を促進するた
め、法律で有料化の義務付けが必要です。
B 条例や事業者が協定してレジ袋を有料化することを義務づけることは「独占禁止法に抵触する」という判断が一時ありましたが、2008 年、公正取引委員会は、営業行為ではないので独占禁止法に抵触するといえない、との見解を示しました。
■意見(5)
【意見の概要】
『リサイクル率、リユース率など3R目標の設定』
国は発生抑制目標、リユース率目標、リサイクル率目標を設定し、特定事業者や市町
村を指導監督します。
【意見の内容】
昨年5月、循環型社会形成推進基本計画が閣議決定されましたが、取り組むべき課題の最初の項目に「2Rの取り組みがより進む社会経済システムの構築」があげられました。事業者の自主的な目標に委ねるのでなく、国家目標として、リサイクル率、リユース率、リデュース率の目標を設定し、循環型社会形成推進基本計画の推進を行うことが必要です。
■意見(6)
【意見の概要】
『リユースマークを制度化する』
国は、リユースマークを制度化し、リユース容器の統一化と、消費者の認知を高め、リユース容器の普及促進を図る必要があります。
【意見の内容】
現在、製品ごとに形状の異なる様々なガラスびんが使用され、多くがリユースに適さない規格で設計されています。このことが、ガラスびんのリユースを妨げています。
そこで、リユースに適したガラスびんを標準規格として設定して、その普及を促します。標準規格のガラスびん使用製品を、グリーン調達品目に加えるなど、公共施設での使用促進を行います。
■意見(7)
【意見の概要】
『「容器包装3R法」へ名称変更する』
現行の容器包装リサイクル法は、その内容のほとんどはリサイクルの法律です。2Rの
施策を重視した内容に改正し、「容器包装3R法」へ名称変更する必要があります。
【意見の内容】
昨年5月、循環型社会形成推進基本計画が閣議決定されましたが、取り組むべき課題の最初の項目に「2Rの取り組みがより進む社会経済システムの構築」があげられました。リサイクルだけの取り組みでなく、3R、中でも2Rの取り組みがとても重要です。この基本計画を推進するために名称も含めて容器包装リサイクルの改正が必要です。
■意見(8)
【意見の概要】
『店頭回収、集団回収からの買い取り』
特定事業者は、スーパー、コンビニでの店頭回収や、住民団体等が実施する集団回収で回収されたペットボトル、卵パック、食品トレイも買い取ることを義務づけ制度化します。
【意見の内容】
小売業者は消費者との接点にあり、消費者の3R意識向上に積極的な役割を果たすことが求められます。自動回収機を設置するなど飲料ペットボトルの回収拠点として役割を担います。こうした店頭回収を促進するため、小売店を容器包装リサイクルの収集拠点と位置づけられるようにし、拠点回収されたペットボトル等を特定事業者が買取ります。同様に、集団回収も容器包装リサイクルの回集拠点と位置づけ、特定事業者が買取るようにすることで、高度なリサイクルを進めます。
■意見(9)
【意見の概要】
『製品プラスチックを一緒に回収し、その費用は自治体が負担する』
市町村は製品プラスチックのリサイクルを進めるため、容器包装プラスチックと一緒に収集し、特定事業者が再商品化します。ただし、この製品プラスチックの再商品化費用は、ごみ処理費用として市町村が負担します。
【意見の内容】
バケツなどわかりやすい製品プラスチックを指定して、容器包装プラスチックと一緒に分別排出する方が、市民の分別排出が容易になります。また、再商品化工程でも、容器包装プラスチックか製品プラスチック化を選別するといった非常に効率を妨げる選別をせずにすみ、しかもプラスチックのリサイクル資源化が進みます。製品プラスチックのリサイクル費用は、組成調査による割合で市町村が負担します。
■意見(10)
【意見の概要】
『2R を強化するため『2R 評価委員会』の設置する』
食品メーカーなど業界ごとに、「2R計画」の提示を義務付け実行します(現行のレジ袋削減と同じ方法です)。その進捗を評価するのが2R評会委員会の役割です。
【意見の内容】
国は2R教育と意識向上への啓発を行うとともに、2R製品ガイドライン、リユース容器の
規格統一ガイドラインの設定など、2Rシステムを整備し管理監督をします。メーカーは、
業界ごとに2R推進計画を策定し実行、その進捗を国が設置する2R評価委員会で点検し推進します。
■意見(11)
【意見の概要】
『学校給食でリユースびん牛乳を普及させ、食育教育に活用する。』
リユースびん牛乳は、毎日の給食でリユースを実践するとともに、食育教育に生かされます。
【意見の内容】
リユースびん牛乳は、ガラスびんの軽量化によるリデユース、繰り返し使うリユース、使用
後ガラス原料としてリサイクする大変有意義な3R教材です。子供たちは毎日の給食でリユースを実践し、環境意識が醸成されます。また、ガラスびんの牛乳は美味しいことが科学的にも証明されていて、容器を大切に扱うことも学び、食育教育に生かされます。